日本1周ご当地不思議巡り/第24回

日本で一番練り物を食べる●●県

2013.10.20 SUN


ちゃんぽん、カステラで有名な長崎県。そんな長崎県にもうひとつ、隠れた名産品があるのをご存じでしょうか? それは「かまぼこ」。

総務省の「平成21年度 全国消費実態調査によれば、長崎県の「魚肉練製品」の支出額は全都道府県中、第1位。三方を海に囲まれた長崎県は、当然のことながら水産業が盛ん。平成20年の海面漁業・養殖業生産量は北海道、宮城県に次ぐ全国3位を誇っています。

が、ここで気になるのは、せっかく新鮮な魚が手に入るのに、なぜ加工品である練り物の消費量が多いのか、という点。もちろん生魚と練り物は別の味覚ですが、水産県といえば生魚に親しんでいるイメージが強いもの。そこで「長崎かんぼこ王国」の事務局「長崎蒲鉾水産加工業協同組合」に話を聞いてみました(“かんぼこ”とは長崎弁で「かまぼこ」のこと)

「長崎は海岸線が日本一で、昔から魚が多く捕れていました。今のように魚を冷凍保存することもできなかった時代、釣った魚を無駄なく消費するために、生よりは保存の効く練り物に加工してきたのだと思います」(同組合)

農林水産省のデータによると、かまぼこ類加工工場の数は長崎県が全国一。そうした背景もあり、昔からかまぼこに親しんできたようです。

実際、「かんぼこ王国」長崎では、かまぼこの種類が実に豊富。板付かまぼこやちくわ、揚げかまぼこを始め、卵を丸ごと練り物で巻いた「竜眼」や、餃子を練り物で包んだ「餃子天」など、東京ではあまりお目にかからない一品に多数出会いました。用途も幅広く、ちゃんぽんやお煮しめ(煮物)はもちろん、焼きそばに入れる人も多いのだとか。

しかし、長崎自慢のかまぼこ、地元では消費されているものの、県外への出荷額や認知度の低さが課題だそう。それを解決するため、産学官が連携して昨年2月、「かんぼこ王国」を設立。県外へのPR戦略商品・第1弾として、長崎名物あごだしスープで煮込んだ「長崎おでん」を開発しました。さらに県生麺協同組合やケチャップ最大手のカゴメと共同で新メニュー「ちゃポリタン」を開発するなど力を入れている様子。ちゃんぽん麺やかまぼこ、玉ネギ、ピーマン、ケチャップなどを使って誰でも簡単に作れる、ナポリタンのような一品です。

長崎名物といえば、ちゃんぽん、カステラに「かんぼこ」となる日も近いかもしれません。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年10月に取材・掲載した記事です

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