スシやテンプラだけじゃない!?

あの日本語が世界で通じるワケ

2013.11.18 MON


近年、海外で漫画やアニメなど、日本のポップカルチャーが熱狂的な支持を集めているのはご存じの通り。また、日本政府観光局の最新の調査によると、今年2月の外国人観光客数は66万6000人と、前年当月比62.9%増の伸び率を記録しています。日本が注目されていることは、日本人としてはうれしい限り!
 
日本文化の広がりを象徴する現象の1つが、“世界で通じる日本語”の広がり。古くはフジヤマ、ゲイシャなどですが、最近ではより一般的な言葉も浸透してきているとか。そこで、言語学者の名古屋大学教授・町田健さんに、“世界で通じる日本語”や、それらが広がった背景を教えていただきました。

「最も多いのが、“外国にない事物”をそのまま日本語で表現したものです。SUSHI(寿司)やJUDO(柔道)、意外なところでは“KOBAN(交番)”がそうでしょう。実は“交番”は、30年以上前からフランスを中心に使われている言葉。警官が駐在して安全を監視するという日本の交番制度、実は欧米には存在しません。季節を問わず路上に長時間立つことを強いられる欧米の警官が日本の交番をうらやむ気持ちから、広く使われるようになったようです」

私たちにとって日常の光景である交番は、世界でも珍しい制度だったんですね。そのほかには、海外でどんな日本語が使われているんですか?

「KEIRETSU(系列)、ZANGYO(残業)、KAROSHI(過労死)など、日本独自のシステムや習慣を表す言葉です。“系列”は日本企業独特の運営システム。日本経済の発展を受け、一時期は経済の効率性を生み出す模範的な仕組みとされていました。同じく日本企業の特徴的な雇用慣行である“残業”も労働時間が短いほど良いとされる外国では奇妙に映るようです。同様の理由で“過労死”も有名ですね。また、日本独自のモノやシステムだけでなく、外国人にはみられない日本的感性を表現する際にも、日本語で代弁することもよくあります。例えば“MOTTAINAI(もったいない)”は節約するという意味以外に、モノへの敬意の念も込められています。それらを端的に表す言葉を探すのは、外国語では難しいんです」

そのほかにもFURIN(不倫)やHIKIKOMORI(ひきこもり)などがメディアで登場することもあるよう。ネガティブな日本語が多いことが気になるのですが……。

「だからといって一概に日本のイメージがマイナスだということではありません。ポジティブな単語より、社会的に問題のある単語の方が関心を引きやすいということでしょう。つまり、世界が日本に注目しているという嬉しい現象なんですよ」

なるほど。世界で通じる日本語を調べれば、海外でどんな文化が浸透しているかを知ることができるんですね。
(山田由紀子/blueprint)

※この記事は2010年05月に取材・掲載した記事です

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