年間3万人が発症していると推定

産まれない…「不育症」の基礎知識

2013.11.21 THU


平成22年度に厚生労働省研究班が調査したデータ(「Fuiku-Labo」より)。リスク因子によって、投薬や手術など対処の方法は異なる 図版作成/藤田としお
妊娠はするものの、流産や死産を繰り返す「不育症」。妊娠自体が叶わない不妊症に比べると認知度は低いが、2011年に厚生労働省研究班が算出した統計では、年間でおよそ3万人もの人が発症していると推測されている。血液凝固の異常や子宮の形状、内分泌に問題があったり、夫婦どちらかの染色体に異常があったりと、原因は様々。夫の理解がなくひとりで悩んだり、知識がないために治療を受ける機会に恵まれず、妊娠のたびに悲しい思いをする女性が多くいるという。一体、不育症とはどんな症状なのか。厚生労働省研究班の代表・齋藤滋先生に伺った。

「はっきりした定義はまだ定められていませんが、2回以上連続した流産や死産があれば、一般的に不育症と診断します。妊娠22週以降の死産や、生後1週間の新生児死亡も含め、広い意味で用いられる呼称です。第一子を問題なく出産した後、2人目以降の妊娠で見つかることもあります」

血液や子宮などの検査でリスク因子を調べれば、次回の妊娠に向けて適切な対策ができる。ただし、特別のリスクがなく、偶発的な流産を繰り返している場合もあるのだとか。また、治療費は病院によって異なり、検査の一部は保険の適用外なので費用がかさむことも…。ただし、保険で認められる薬が増えるなど、経済的な負担はやや軽減されつつある。

認知度アップのために活動する「不育症そだってねっと」の代表・工藤智子さんによると「本人や家族にとっては、精神的なプレッシャーもかなりのもの。周りの理解不足や『妊娠すれば当たり前に出産できる』という雰囲気に傷つく女性もいます」とのこと。

現状で予防策はないが、心当たりがあるなら早めの検査が肝心。正しい知識を持ち、いざというときは病院を頼りながらケアすることが、よい夫の務めですよ!
(菅原さくら/アバンギャルド)


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