完全地デジ化直前で買い替えが盛んだけど…

そもそもテレビの形はなぜ横長?

2013.12.09 MON


テレビの画面は基本的に横長の四角。考えてみればなぜあの形なのか不思議だ。テレビの技術などに関する著作が多い西久保靖彦さんにたずねてみた。

「理由としてまず挙げられるのが、人の目が横方向に2つあるため視野が横長であり、そのことに画面が対応している点。さらに、黎明期のテレビにとって番組素材になるものの筆頭が、映画だったことが関係すると考えられます」

テレビに先立って登場した映画では、横と縦の比率が4:3というスタンダードサイズのほか、1.85:1のビスタサイズなどの横長の作品も多かったため、必然的にテレビの画面も横長であることが求められたのだという。

「ブラウン管のテレビを造るうえでのコストや技術的な問題により、1.85:1までの横長にはできませんでした。ブラウン管の中は真空なので、割れて爆発しないよう耐久性を高める必要があるため、形を円に近くし、全体に均一に圧力がかかるようにするのがベスト。四角でもっとも円に近いのは1:1の正方形ですが、テレビは比較的正方形に近い4:3の比率を採用。スタンダードサイズの映画がそのまま放送できるため、番組の供給側とテレビの製造側の落としどころだったのではないでしょうか」

ちなみに複数のテレビメーカーになぜ画面が長方形なのか聞いたところ、どこも「詳しくは答えられない」との回答。というのも、テレビは正式には「テレビ受像機」というようにテレビ局から送られる放送波を視聴するための受信機だから。メーカーはその放送波の規格に準じて製造するのだ。

ところで今の薄型テレビは昔のブラウン管のものに比べてやや横長になっていて、比率は16:9。その経緯について日本の放送局の元祖、NHKの放送技術研究所に聞いてみた。

「1964年ごろよりNHK放送技術研究所では次世代の放送として大画面、高画質のハイビジョンの研究を始めました。多くの人に様々な比率の画面を見て印象を評価してもらう研究などを重ねた結果、30~100インチのハイビジョンなら5:3程度が適していることが判明。1985年に、国連の下部組織である国際電気通信連合の無線通信部門に国際規格として5:3の比率を提案しました。その際、主に映画で使われる1.85:1のビスタサイズなど様々な画面との整合性を考慮し、5:3とほぼ同じ16:9が国際規格として採用されたのです」

昔から現在にわたるテレビの形の謎。地デジのようにくっきり解けたかな??
(佐藤太志/GRINGO&Co.)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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