「濃い味」ブームの次にくるのはコレ!

「コク味」グルメが続々登場のワケ

2014.04.16 WED


「コク」のある料理をつくるためには、それなりの調理時間と技術が必要。男女とも日々忙しく、調理に割く時間が取りづらくなっていることも、「コク」のある調味料や飲食品が人気を博している理由のようだ
味覚や香りを科学的な指標で評価する「味香り戦略研究所」が2月、食品・飲料市場における味のトレンドを調査したところ、「最近好む味はなんですか?」の質問に「コク・旨味・深み」と答えた人が58%に上ったという。

コクや旨みを打ち出した商品がそんなに発売されているのか? ということで調べてみると、缶コーヒーシェアNo.1の「ジョージア」(日本コカ・コーラ)は、「ヨーロピアン コクのブラック」「コクの超微糖」を展開し、食品でも、今年に入って「チョコボール<コクうまショコラ>」(森永)、「究麺 濃コク豚骨」(明星)など、確かに「コク」をうたった商品は増えているようだ。

味の濃い薄い、酸っぱい、辛いなどはわかりやすいけれど、そもそも「コク」とはどんな味のことなのだろう? 味香り戦略研究所の“味覚参謀”こと、味分析のスペシャリスト・菅慎太郎さんに聞いてみた。

「『後味』に分類される複雑な味わいなので、定義化は難しいのですが、コクとは複合的な味の重なりによって得られる『上質で深みのある味わい』のことです。混同されがちですが、『濃い味』とは明確に違います。濃い味は食べてすぐわかる『先味』といわれるもので、塩を足したり、砂糖を足したりして味を強くすればできますが、コクは時間や手間をかけなければ出ない、多層的な味わいなんです」

具体的な例としては、じっくりとったダシの旨みや、「塩麹」など時間をかけて発酵させた調味料が生み出す味の奥行きなどが総じて「コク」と呼ばれるもののようだ。それがなぜ、いま注目を集めているんでしょうか?

「2006年ごろから『濃い味』のブームが続いていました。インパクトのある味でお得感はあるのですが、どうしても表面的な味になり、一食として充足感が得られない部分がある。その点、重層的な味である『コク』は本物の満足感につながります。料理する時間も、またコクを引き出す技術もなかなか持てない人が多いなかで、各種の商品からそれを得ようという人が増えているのでしょう。メーカーもそうしたニーズに応え、消費者と長く付き合える本物志向の商品として、コクを追求するようになったと考えられます」

味香り戦略研究所の調査によると、食べ物に「濃い味」を求めるシーンは個食に集中し、逆に「コク」を求めるシーンとしては「家族/友人と食べる/飲む時」と回答した人が39%に及んでいる。とくに、“食”を通じたコミュニケーションも盛んになっているソーシャル時代においては、「本物志向の味を求めることが、大人の余裕につながり、ひいてはモテ度にも影響する」と菅さん。普段から「コク」を意識しておくと、カッコいい大人に近づくことができるかも?
(橋川良寛/blueprint)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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