競争激化でファミレス化が加速

回転寿司「ユニーク寿司ネタ」続々

2014.04.20 SUN


「くら寿司」が誇る創作寿司メニューの一例。こんがりあぶったチーズが食欲をそそる「あぶり寿司」シリーズのほか、「えび天寿司」「味玉軍艦」など、ユニークなラインナップがそろう
不況のあおりを受け、経営不振が続いている外食産業。そのなかで、数少ない成長分野が「回転寿司業界」だ。「全皿105円」など、コストパフォーマンスの良さを売りにした回転寿司チェーン店の数はここ数年で急増。各社はユニークな寿司ネタの開発に力を注ぎ、しのぎを削っている。

「炙り寿司、天ぷら寿司、トッピング寿司などのいわゆる“創作寿司”の開発には、当社も数年前からいち早く取り組んできました」

そう話してくれたのは、業界大手チェーン店「くら寿司」広報の中村浩さん。確かに、同店のメニューを見ると、「あぶりえびチーズ」や「佐世保レモンステーキ風」、はたまた「ハンバーグ」など、斬新なネタがズラリ…! また、「サイドメニューの強化も新規顧客獲得のチャンスと捉えています」と語るように、「7種の魚介醤油らーめん」や「7種の魚介だれ・すしやの天丼」などを販売し、好評を博しているという。ほかにも「なめらかチーズグラタン」や「もりもりポテト」など、ファミレス顔負けの豊富なメニューがそろっているのだ。

一方、大手寿司チェーン「あきんどスシロー」でも、創作寿司の開発に余念がない。注目は、「マーラー風味赤えび揚げねぎ添え」や「国産極上生ハムガーリック醤油」「サーモンバジル」など、何度も試作を重ねて生まれた渾身のネタたち。ほかにも、有名パティシエとコラボした特製スイーツを手がけるなど、鮮度、ネタ、価格を吟味し、ひと手間加えた189円メニューを開発するなど進化は続く。

「189円メニューは、105円ではどうしても提供できなかった通常のお寿司屋さんで食べられる高級ネタを、当社ならではの仕入れ力でご提供している商品群です。取扱店はまだ全国で数十店舗ですが、お客様からは大変ご好評をいただいております。ネタは毎月厳選しており、例えば関東地区の4月のメニューは『炙りタイラギ貝』『炙り上穴子』『活け〆しまあじ』などです」(スシロー広報・森建二さん)

このように各社の取り組みが多様化するなかで、消費者の好みにはある変化が…。

「寿司ネタの人気は長らくマグロの天下が続いてきましたが、最近はサーモンの人気上昇が顕著です。これには、国策としてサーモン養殖に取り組んだノルウェーなど北欧各国の努力が背景にあり、品質のよいアトランティックサーモンを安定して輸入できるようになったことが大きいと思います」(くら寿司広報・中村さん)

ちなみに、アサヒグループホールディングス・お客様生活文化研究所が830人の男女を対象にした「『お寿司』に関する意識調査」でも、好きな寿司ネタのトップ3は「中トロ」(15.3%)、「サーモン」(9.0%)、「まぐろ赤身」(8.8%)という結果に。女性に限ると「サーモン」は、トップ(12.3%)となっている。

各社の努力のおかげで、今や“安くておいしい”寿司が以前よりずっと身近になった。庶民の懐にやさしい外食スポットとして、今後も回転寿司業界の進化に期待しよう!
(池田香織/verb)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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