日本1周ご当地不思議巡り/第1回

千葉の保険医療費が低い理由は

2014.04.26 SAT


千葉県民宅で見せていただいた置き薬。一通りの薬がそろっていて、使った分だけ月まとめてお金を払う仕組み。使わずに使用期限が切れたなんてこともない分、無駄がないかもしれません
書店で根強い人気を誇るジャンルの1つに「県民性」というヤツがある。試しに「県民性」というワードでAmazonを検索してみれば、この手の本が繰り返し出版されていることがわかるだろう。

確かに「○○県人はせっかち」だの「△△県人は××好き」だの、この手の話は盛り上がりやすい。そういう場合も少なくないのだが、与太話としては面白かったりする。

ただ、なかには「与太話」と言い切れないネタもある。「1人あたり消費量」や「1人あたり出費」など何らかのデータを根拠にしているケースだ。

たとえば「一人あたり(年間)医療費」というデータ。厚生労働省が発表している2011年度の「医療費の地域差分析」によると、最も高い「高知県(57.2万円)」と、最も低い「千葉県(36.3万円)」では1.5倍以上の開きがある。

なぜ高知県は高く、千葉県は低いのか?

厚労省によれば、一人あたり医療費が高い県は、人口に占める高齢者の割合が高いという。高齢者が多いから病院に通う人も多く、一人あたり医療費が高くなるというわけだ。実際、60歳以上の人口比率は、千葉県が28.8%なのに対し、高知県は36.4%に上る。

では、千葉県が低い理由は何か? やはり高齢者が少ないからだろうか?…と思いきや、それだけでは無い模様。

60歳以上の人口比率でみると、たとえば大阪府(29.7%)は千葉県とほとんど変わらない。なのに大阪府の一人あたり年間医療費は45.0万円。千葉県民より24%も高い。となると年齢だけでは説明がつかない。ひょっとして千葉県民は体が丈夫なのだろうか?

そこで筆者は千葉県を訪れて取材してみた。実は、縁あって4月から日本全国(47都道府県)を巡り、「県民性」や「ご当地事情」を取材することになったのだ。その第1弾として、「千葉県」の「医療費の低さ」の謎を現地で探ってみた。

調査の結果、わかったことは2つ。

(1)千葉県はドラッグストア大国である
同県はドラッグストアチェーン日本最大手・マツモトキヨシが本拠を構える県。店舗数も180店と、東京の157店より多い。

(2)千葉県民の家には「置き薬」がある(ことも少なくない)
「富山の置き薬」として知られる「置き薬」に千葉県で遭遇。寡聞にして、千葉県にも「置き薬」があることは知らなかったが、泊めてもらったお宅で伺ったところ「他の家にも結構ある」とのこと。

この2つの事実から無理やり推測するに、どうやら千葉県は“お薬事情”が良好な模様。だから体調が悪くなっても「早めの××」よろしく、こじらせずに済み、結果的に医療費が抑えられているのかもしれない。

ちなみに余談だが、千葉県には全国的に有名な超人気病院がある。“一度入院した患者がもう一度入院したいと思う”といわれる「亀田総合病院」だ。人口3万6000人の鴨川市にありながら1日平均2500~3000人の外来が県外からも訪れるというから、その人気ぶりがわかるだろう。もしかすると千葉県は、隠れた「メディカル先進県」なのかもしれない。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

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    千葉県を中心に展開するドラッグストアチェーン。24時間営業の店舗が多いのも、それだけニーズがあるからでしょうか!?

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