男が知らない女の視線 第12回

男が浮気をし、女が値踏みする理由

2014.04.26 SAT


精子の大きさは0.06mmでほとんど遺伝子しか持たないのに対し、卵子は直径0.2mmで受精卵を育てられるだけの栄養素を持っている 写真提供/PIXTA
「男って、どうして浮気っぽいの?」
「女だって、何人もの男を値踏みするじゃないか!」

男友達と飲んでいたら、口ゲンカになりました。お互いの恋愛事情を知っているものだから、酔いに任せて水掛け論に。1週間の臨戦状態が続いています。

ただ、冷静になって考えてみると「男は浮気っぽい生き物」みたいな一般論って、はたして事実に即しているものなのか? 『科学でわかる男と女の心と脳』の著者、長浜バイオ大学の麻生一枝先生に聞くと…。

「男女の交際期間と人数に関しては、面白いデータがあります。アメリカの大学生148人(男性75人、女性73人)に行われた『一定期間内に交際したい異性の数』の調査では、たとえば3年間で男性が平均9人の異性と交際したいと答えたのに対し、女性の平均回答は2人なんです」

これが一生となると男性の平均は18人で、女性の平均は5人になるそう。では、男女でなぜこんな違いが? そう聞くと「動物学をそのまま人間の性格や行動に当てはめるには、異論もありますが…」と前置きしつつ、こんな答えが返ってきました。

「生物は、遺伝子を残すという目的に向かって、もっとも効率的に行動するよう進化しています。ですから、動物行動学的に考えれば、“精子を作るオス”と“卵子を作るメス”で心理や行動に違いが出るのは当然なんです」

では、“精子を作るオス”と“卵子を作るメス”の違いは、どう行動にあらわれるんでしょう?

「精子が小さく、ほぼ遺伝子しか持っていないのに対し、卵子は受精卵を育てる栄養素が詰まっていて大きい。同じエネルギーを使っても、作れる数は精子の方が多いんです。しかも、自分の体内で子どもを育てなくていいため、オスは同時期にたくさんの卵子を受精させることができます。それならば、たくさんのメスとのあいだに子を作った方が自分の遺伝子を残せる可能性は高まりますよね」

これが、男性が目移りしやすい理由の1つ、と麻生先生。

「一方、卵子は精子に比べて作れる量が少ない。さらに、ヒトを含むほ乳類は普通、妊娠中と授乳中に排卵しないので、メスが一生をかけて作れる卵子の数は、さらに少なくなります。だから、メスは子どもによい遺伝子を残せるよう、より健康で優秀なオスを選ぼうとするんです。これは、男性より女性が相手をえり好みする理由の1つと考えられています」

男が浮気っぽいのも、女が男を値踏みするのも、遺伝子を残すため…。うーん、だからといって浮気は擁護しかねますが、とりあえず友人とはこのネタを肴に飲みに行って仲直りしたいと思います。
(有馬ゆえ)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

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