年齢? 環境? 脳の仕業?

苦さもいつしか旨く 味覚の不思議

2014.07.06 SUN


(C)Royalty-Free/Corbis/amanaimages
子供のころ嫌いだったピーマンやコーヒー、サザエやサンマのはらわたといった苦みが、大人になったら、突然おいしく感じられるようになった。そんな経験はありませんか?

そもそもヒトが苦みを感じる物質には、カフェインやニコチン、カテキン、リモニンなどの有名どころをはじめ、苦味アミノ酸、苦味ペプチド、カルシウム塩、マグネシウム塩など様々な種類があるそうです。

ともあれ、人はなぜ苦いものを好きになるのか? ズバリ『感性の起源 ヒトはなぜ苦いものが好きになったか』という著書もある、味覚センサー研究の権威、九州大学の都甲潔教授にうかがいました。

「人は歳を取るにつれ少しずついろんな味を経験し、味覚のバリエーションが増えたり、感性の振り幅が広くなっていきます。この段階で、うれしい局面や楽しい場で苦いものを食べると、そのポジティブな感情込みでおいしいと感じるようになるんです」

なるほど。「味覚の成長」と「ポジティブな体験」があわさって初めて苦みを楽しめるようになると。

「また、人は味覚に限らず刺激的なものをどんどん欲しがる生き物です。ゆえに自然界では毒の危険性を知らせるサインである苦みでもチャレンジしたくなる。逆に幼いころというのは、食わず嫌いが多々あるので、あまり味覚の幅が広がらないんです」

なるほど。ビールだって飲み始めはおいしくなかったのに、今やその苦みの虜です。「誰しも飲み始めは、飲み会やデートなどの楽しい場で、ビールのアルコールや苦みを少しずつ経験し、その際の快感物質放出によって幸福を感じていました。それが後の幸福感のトリガーとなって、苦いビールでも飲めるようになるわけです」

むろん、そのために年長者が楽しい場を提供したり、憧れの存在でいる必要があるわけですけども(焦)。いずれにせよ、酸いも甘いも噛み分けるのが大人といわれるように、苦みも含めていろんな味を知ってた方が人として魅力的かもしれませんよ。

※この記事は2012年02月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト