缶とビン、グラスとジョッキ…

「器で味が変わる」科学的な理由

2014.07.13 SUN

ビールでもコーラでもいいんですが。同じメーカーの同じ銘柄の飲み物を、缶で飲んだときとビンで飲んだとき、あるいはグラスに注いで飲んだときで、味の印象が違うことってありませんか? 飲み物って、器が違うとホントに味も変わるのだろうか。

「食べ物や飲み物のおいしさを最終的に判断するのは脳なので、入ってくる情報が異なれば、感じ方も変わる可能性があります」(東京大学大学院農学生命科学研究科・阿部啓子教授)

そもそも人間が飲食物の味を感じるのは、飲食物に含まれる化学物質を口の中にある受容体(センサーのような存在)がキャッチするところから始まる。その情報が神経を通じて脳に伝達されるというわけだ。

「そのとき、甘酸塩苦と旨味の基本五味の感覚は、舌などにある味蕾を通じて神経や脳に伝わります。辛さ、エグみ、感触などは、ほほや舌の表面近くまで到達している神経がキャッチし、脳に伝えられます」(同)

器の形の違いによって、飲み物の口の中への流れ込み具合が違ってくることが味に異なる印象を与える可能性もある。

「味蕾は舌の先端や奥に多く存在するなど均等に配置されているわけではないのと、先端と奥とではつながっている神経の種類が異なるため、飲み物が最初に口のどこに触れたかで味の印象が変わる可能性があります。しかし、基本的には器の変化を脳がどのようにとらえるかが関係しています」(同)

さらに味の判断には、五感や記憶も関与している可能性があるという。

「器が唇に触れたときの触覚、泡立ち具合が分かるグラスと中が見えない缶など視覚で判断する情報、その人のそれまでの経験など、様々な情報を駆使して脳でおいしさを判断していると考えられます」(同)

まだ完全には科学的に解明されていないが、器の形は味の印象に大きくかかわっているようだ。ビールでも、いろんな種類の器を試して自分好みの味を探すってのもなんだか楽しそうだぞ。

※この記事は2011年6月に取材、掲載した記事です

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