日本1周ご当地不思議巡り/第12回

日本一の砂糖好き!肥満に注意な県

2014.07.17 THU


秋田の冬の風物詩、なた漬け。枝打ち用のなたで、鉛筆を削るように大根をそいで甘酒に漬けたもの。ほんのり甘い優しい味がしました
少し前になりますが、2000年に筑波大学の原田助教授(当時)の調査によって、秋田県の人は酒に強いとされる遺伝子の型(NN型)を持つ人の割合が77%と全国一多いことが発表されました。実際に、秋田県民には酒好きが多いようで、「総務省 平成21年地域,品目別1世帯当たり1か月間の支出」(二人以上の勤労者世帯)によれば酒類の消費額は全国1位(5327円/月)で、お酒の種類別に見ても、ウィスキー1位、清酒2位、焼酎4位と軒並みトップクラス。

ところがその一方で興味深いデータが。「砂糖」の消費額です。秋田県は、なんと全国平均(86円/月)の2倍の172円/月で、全国1位。よく「酒飲みは甘い物を好まない」なんて言われますが、このデータはどう読み解けばいいのでしょうか?

さっそく県内で取材をしてみると、県南と県北で事情が少し異なる模様。まず県南の食文化として驚いたのは、ごはんに砂糖と醤油をかけて食べたり、納豆やポテトサラダに砂糖を入れることがあるという点。聞くところによると、茶碗蒸しも甘い味付けなのだとか。一方、県北では、行事の際に作られる “飾り寿司”に砂糖がどっさり入っており、食べるとお菓子のように甘いのだそう。もちろん、いつも飾り寿司を食べているわけではありませんが、料理に砂糖を多用することは間違いないようです。

ではなぜ秋田ではそんなにも砂糖を多用するのでしょうか?

『食文化あきた考』の著者・あんばいこう氏は同書のなかで、昔から親しまれてきた「米こうじ」にその理由があると結論付けています。

米どころの秋田では、お漬物を漬けるのに“寒こうじ”や“甘酒”を使います。この2つにはどちらも「米こうじ」とお米が使われているのですが、こうじ菌に含まれるアミラーゼという酵素が、お米に含まれているデンプンを分解し甘みを生み出します。

それらをご飯のお供としていた食生活のせいか、甘い物に舌がなじんでおり、総じて甘党が多いのではないか、というわけです。

ちなみにそんな秋田県ですが、気になるデータがもう1つ。砂糖の消費量が多いせいか、2006年度学校保健統計調査(文部化学省)で、児童の肥満傾向が全国第1位。その後、改善されてきているようですが「お酒好き」かつ「甘いもの好き」という同県の健康管理はなかなか難しそうですね。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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