日本1周ご当地不思議巡り/第13回

日本一炭酸飲料を消費する県は北国

2014.07.24 THU


青森県内のスーパーでよく目にした、缶飲料の箱売り特売。350ml缶よりも250ml缶や190ml缶が多い。飲みきりサイズというのも、好まれるポイントのようです
三方を海に囲まれた本州最北端の青森県。全国の約50%の生産量を誇るリンゴや最近では史上最高値を更新し続ける大間のマグロが有名ですが、青森県民の消費量「平成21年地域,品目別1世帯当たり1か月間の支出」(二人以上のうち勤労者世帯)を調べてみると、おもしろい実態が見えてきました。

炭酸飲料…第1位(398円)
果実・野菜ジュース…第1位(1193円)
コーヒー飲料…第1位(582円)

やけに飲料の消費量が高いのです! 同調査の「飲料全般」の項目でも第3位と高く、どうやら青森県民は無類の飲料好きな傾向であることは間違いなさそう。豪雪地帯ゆえ、温かい飲料であれば分かる気もしますが、どうやらそうとも限らないようで、取材した県民によれば「季節に関わらず飲料は冷蔵庫で常備している」とのこと。冬場は家のなかが暖房やストーブで暖かく乾燥しているため、喉が冷たい飲み物を欲するんだとか。

取材を進めると、炭酸飲料のなかでも青森県民は特に「サイダー」を好むということがわかりました。
青森県内には明治30年から続く「朝日サイダー」をはじめ、八戸市の「みしまバナナサイダー」、弘前市の「津軽さくらサイダー」など、実に多くの地サイダーが存在するのです。もともと、サイダー(cider)とは、英語でリンゴ酒(仏語ではcidreシードル)のことを指し、リンゴの果汁を発酵させて作るものなので、リンゴジュース工場の多い青森県では、並行してサイダーも作られるようになっていったそうです。

というのも、かつてリンゴ農家などでは、炭酸を飲んだ後に出るげっぷが体内に蓄積した農薬を吐き出すのに良い、と信じられており、農作業の合間や作業後にはサイダーを飲むことも習慣づいていたそうです。ですから、今でも年配の方が炭酸を飲むことは珍しくないとのこと。その習慣が広まり、今では各種飲料にまで波及しているというのが有力な説だそう。

実際に青森県内のスーパーへ足を運んでみると、特売中の飲料が段ボール箱単位で飛ぶように売れていました。美味しそうに喉を潤している青森県民の姿を見て、思わずつられて炭酸飲料を飲んでいる著者たちなのでした。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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