人知れず苦労を重ねるサウスポー…

日本の「右利き率」は約88%!

2014.09.02 TUE


大リーグで活躍する松井秀喜は幼少時、ヒットを打ち過ぎるハンデで左利き(左打ち)に“逆矯正”され、今に至るという。右のままだったら、今ごろさらに打っていたかも!? 写真提供/gettyimages
左利きの人は、筆者のように右利き用のはさみで独特の切り方をして、子どものころよく笑われた…など、少数派として、人知れず苦労をしていることも多い。気になったので、日本をはじめとする世界の利き手の割合を、『左対右きき手大研究』の著者で関西福祉科学大学教授・八田武志氏に聞いてみた。

「まず日本人の“右利き率”ですが、私たちの調査では、約88%という結果が出ています。世界的に見ても、香港の約90%、スウェーデンの約94%、トンガの約91%など、圧倒的に右利きが多いですね。ただ、アメリカはやや状況が異なり、カナダのポラック教授の調査によると、アメリカ人の“純粋右利き率”は7割程度。“純粋右利き率”というのは、簡単にいえば利き手として右手しか使わない人のこと。逆にいうと、アメリカ人の3割は動作によって利き手を使い分けており、“ペンは右だけど、フォークは左”というスタイル。日本人の右利き率(88%)とは単純比較できませんが、アメリカ人に右利きでない人が多いのは確かだと思います」

なぜそのような結果に?

「米国では、1930年代に発達心理学者のオルトンが『故意に利き手を矯正すると、吃音になりやすい』と発表した経緯があり、それ以降、親たちはわが子の利き手に無理な矯正をしなくなりました。歴史が新しく、新たな考え方を柔軟に取り入れる風潮があった米国ならでは。母国語である英語が、左手で書いてもあまり苦にならない文字だったことも一因です」

なるほど。とはいえ、先ほどの話にもあった通り、世界的には右利きが圧倒的に多いのはなぜでしょう?

「我々の先祖が2足歩行になり立ち上がったとき、右手は物をつまんだりする器用さを発達させ左手は何かをつかみ体を支えるようになったタイプと、左右逆のタイプがあったと推定できます。そのなかで、前者がより環境に適応し、生存を続けたと考えられます。加えて、世界の広い範囲にわたり、宗教上の理由や生活様式から右利きに矯正する習慣があることも右利きの割合の増加につながっているのです」

歴史的な要因もあり、世界にはやはり右利きが多かった。でも、左利きが多い国もあってちょっと安心しました。
(伊藤 裕/GRINGO&Co.)

※この記事は2010年10月に取材・掲載した記事です

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