日本人は半世紀で10cmも伸びたけど…

いつまで?どこまで?身長の不思議

2014.09.07 SUN


日本人の平均身長は、そろそろ打ち止めみたい。大澤先生によれば、それどころか運動不足・体力低下により「骨格」の成長が阻害され、徐々に低くなる可能性もあるのだとか 写真提供/gettyimages
スポーツの国際試合などを観ていてよく思うことですが、日本人って背が高くなりましたよね。厚生労働省による「平成19年度国民健康栄養調査」を見ると、20~29歳の日本人男性の平均身長は171.7cm。終戦直後は160cm程度だったそうで、半世紀で10cm以上も伸びています。最大の理由は栄養状態の改善だといわれるけど、日本人はどこまでデカくなっちゃうんだろう?

「いまや日本人はアジアでトップクラスの長身です。しかし、これ以上はなかなか伸びないでしょう。事実、90年代半ばごろから日本人の平均身長はほぼ横ばい。身長の伸び幅は遺伝とともに、臓器の大きさで決まります。いくら栄養を摂っても“内臓が維持できる身体のサイズ”には限界があるんです」

そう教えてくれたのは、日本発達発育学会理事長の大澤清二・大妻女子大学教授。アムステルダム自由大学メディカルセンターなどの調査(2010年)によると、世界で一番成人男性の平均身長が高い国はオランダで、183.8cm。しかしこの数字も、やはり97年以降は横ばいになっているのだとか。

「“身長を伸ばす要因”となるのは筋肉を作るたんぱく質と、骨格を作るカルシウム。これらは乳製品から効率よく摂取できるので、乳製品をたくさん食べる民族は背が高い傾向があります。また、寒い地方に住む民族ほど長身だというデータも。身長が高いと、“熱源”となる筋肉量が多くなるため、発熱量も増えるんですね。オランダは酪農が盛んで平均気温も低いため、栄養面・気候面ともに、背が伸びる要素が集まっています。そのため、あくまで平均値という点でいえば、現段階のオランダ人の身長が人間の臓器で対応可能な高さの限界だと思います」

なるほど、人間はどこまでも大きくなるわけじゃないんですね。もうちょっと身長が伸びないかとひそかに期待しているんですけど、個人に目を向けると何歳くらいまで伸びる可能性があるんですか?

「一般には高校生くらいで成長は止まりますが、ベルギーの統計学者アドルフ・ケトレーの調査によれば、30歳になっても身長が伸びた例はあります。昔からいわれるように、牛乳を飲んで、よく眠るのが一番だと思います」
おお! R25世代にもまだチャンスがあるかもしれないと。食事と睡眠、ちょっと考えてみようかしら…。
(安藤大智/blueprint)

※この記事は2010年11月に取材・掲載した記事です

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