日本1周ご当地不思議巡り/第21回

鹿児島県は日本一酸っぱいもの好き

2014.09.29 MON


「壺畑」と呼ばれる福山町の黒酢のカメ壺仕込みの様子。温暖で陽のよく当たる環境が、黒い壺を温め、酢の発酵・熟成を促すのに適しているんだとか。
九州新幹線の開通によって、福岡・博多まで2時間強、大阪からも乗り換えなしで行けるようになった鹿児島県。アクセスが良くなったことで、観光客も増加していますが、そんな鹿児島県には全国で断トツの消費量を誇る意外なモノがあるんだとか。

それは「酢」。

総務省「平成21年 全国消費実態調査」によれば、鹿児島県の「酢」の世帯支出は都道府県別で堂々の第1位。

ほかにも「しょう油」が全国4位、「砂糖」が全国5位と、調味料への支出は全般的に高めですが、特に「酢」は全国平均の1.8倍! はたして鹿児島県民はそんなに酸っぱいもの好きなんでしょうか?

早速、鹿児島県で聞き込み調査をしてみると、確かに「しょう油と酢は食卓に必須」と答えた人がかなり多い印象。また、何より驚かされたのが“飲む酢”の種類の豊富さです。ブルーベリー味やゆず味、プルーン味など“飲む酢”を扱う喫茶店が多数に上りました。

こうした“飲む酢”のベースになっているのが「黒酢」。黒酢といえば、健康ブームで2000年頃から注目されていますが、鹿児島県では昔から「黒酢」が親しまれてきたのだとか。

県中央部の鹿児島湾に面する福山町は、約200年前の江戸後期から黒酢がつくられ始めた産地。「中国や琉球と京都をつなぐ交通の要所でもあった福山町では、黒酢を武器に繁盛していきました」と、この地で1820年から酢づくりを手掛ける伊達醸造の伊達代表は教えてくれました。今でも屋外に並べられた壺の中で1~3年かけて発酵・熟成させる昔ながらの方法で製造されています。

その良質な酢は、暑い鹿児島で夏バテを防ぐために、地元民に好まれていたそう。近隣の永野金山には最盛期で1万人もの鉱夫がおり、彼らの疲労回復のために配給されたことから広まったともいわれています。

鹿児島県民にとって、黒酢は「ブーム」というより、いわば「伝統」。確かに、真夏の鹿児島で飲む酢の爽快感はたまりませんでした。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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