日本1周ご当地不思議巡り/第28回

島根がしょうゆ消費全国2位のワケ

2014.11.24 MON


子供から大人までみんなが大好きな卵かけごはん。専用しょうゆの「おたまはん」は日本の東西でのしょうゆ文化の違いを踏んで、“関東風”と“関西風”を売り出しています
世界遺産の石見銀山遺跡や、神々が集う出雲大社で有名な島根県。歴史的文物に富む土地柄ながら、昨今は人口減少率が高止まり。加えて65歳以上比率が全国第2位(29.1%)と高齢化のトップランナーともいうべき状況です。が、そんな同県について面白いデータを見つけました。

それは「一人あたりのしょうゆ消費高」。「平成21年度 全国消費実態調査」によれば、島根県民のしょうゆ消費高は全都道府県中なんと第2位。よく「年をとると薄味を好むようになる」なんて言われますが、年配世代が多いはずの島根県で、なぜこんなにもしょうゆが使われているのでしょうか?

不思議に思って現地で取材してみると、島根県では「しょうゆの使い分け」をする人が多い様子。煮物や吸い物用には「淡口しょうゆ」、焼き魚やおひたしには「濃い口しょうゆ」、お刺身には「再仕込みしょうゆ」といった具合で、料理によってしょうゆを使い分けるのだそう。数年前に卵かけごはんの火付け役となった「卵かけご飯専用しょうゆ」の「おたまはん」も、実は島根県生まれだとか。

島根県産業振興課によると、「しょうゆ製造業は大手メーカーの寡占化が進み、上位5メーカーで全国の総出荷額の約半分を占めています。しかし、本県のしょうゆ消費量の70%以上は地元製品。この比率は全国平均と比較すると高い水準です」とのこと。

島根県では地域ごとに味の好みが細分化され、大手メーカーのしょうゆだけでは満足できない――そんな県民が多いのだとか。つまり県民のこだわりが「地元産志向」の背景にあるわけです。

地元しょうゆメーカーの製品は、多品種少量生産だけあって価格は高め。それでも“こだわりの逸品”を求める県民は多く、加えて“しょうゆを使い分ける”食文化が消費額を押し上げているのですね。

思わず、「“しょうゆ”うこと!」とうなずいてしまいました。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年11月に取材・掲載した記事です

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