日本各地に無数に存在するけど…

しゃべるのが最も難しい方言は?

2014.11.29 SAT


東条操氏の「方言区画」による方言の分類をイメージ化したイラスト。例えば西部方言なら、北陸・近畿・中国・雲伯・四国方言に細分化されるという イラスト/GRINGO&Co.
日本にはたくさんの方言があるけれど、東京の人にとってしゃべるのが一番難しい方言はなんだろう? 方言に関する多数の著書がある東北大学方言研究センターの小林隆教授に聞いてみました。

「主に沖縄や奄美諸島などで話される、琉球方言と考えるのが妥当でしょうね。母音が『あ』『い』『う』の3つしかなかったり、奈良時代の日本語の名残である『は行』が『ぱ行』になる現象があったりなど、本州の方言には存在しない独自の特色があります。東京の人にとっては発音や文法などの根本から異なる部分が多いため、マスターするのは難しいでしょう。さらに、琉球方言は奄美方言、沖縄方言、そして宮古島や石垣島などの先島方言に分かれており、その多様さと複雑さは本州全体で話される本土方言の規模と同レベル。島によって言葉が異なるようなものなのです」

本土方言や琉球方言といった方言の分類の基になっているのは、1953年に発表され、現在も多くの研究者が賛同する東条操氏の「方言区画」。各地域で使われる方言の発音や文法の違いなどを調べ、比較したところ、大まかに本州で使われる本土方言と、沖縄諸島を中心とした琉球方言に分けられ、さらに本土でも東部・西部・九州方言と分かれ、東部なら北海道・東北・関東方言などに細分化できるとしたものだという。

「難しい方言の次点は、東北方言のなかでも北部で話される、北奥方言でしょう」

北奥方言は『し』と『す』、『じ』と『ず』、『ち』と『つ』の区別がなかったり、『開ける』が『開げる』などカ行が濁ったり、『しんぶん』があたかも『しぶ』と短く発音される傾向があるため、聞き取りにくく話すのも大変だからだそう。

「とはいえ現在の方言事情は変化しています。最近の若い人は、テレビなどで共通語に通じているため、その地域の方言の特徴的な語尾や特有の単語だけを共通語に混ぜ合わせて使う人がほとんど。私はこれを『方言のアクセサリー化』と呼んでいます。昔ながらの方言はお年寄りのなかだけで息づいているようですね」

なんだかさみしい感じ…。ところで実は私、東北出身。たいして若くもないですが方言が盛り上がるよう、これがらガンガン方言を使うごどに決めだっちゃ!
(佐藤太志/GRINGO&Co.)

※この記事は2011年05月に取材・掲載した記事です

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