しつこい咳や痰には要注意! 肺活ラボ

健康な気管支には毛がフサフサ!?

2014.11.12 WED

しつこい咳や痰には要注意! 肺活ラボ


電子顕微鏡で見た気管支内の線毛。細かい毛がフサフサと表面をびっしり覆い尽くす

1分間に約1cm押し出す線毛パワー



空気が乾燥するこれからの季節は、チリやホコリが空気中に舞いやすいだけでなく、湿度の低下から様々なウイルスも増殖しやすい時期。私たちは、小さく目に見えないゴミやウイルスを気づかないうちに吸い込んでしまっている。

では、吸い込んだ異物は、一体どこへ行ってしまうのだろう?

「気管支の内側には、線毛と呼ばれる毛状の突起がたくさん存在しています。鼻や口から吸ってしまったゴミやウイルス、タバコの煙などは、この線毛によって体内への侵入を防ぎ、体外へ排出しているのです」

そう話すのは、東京理科大学・薬学博士の礒濱洋一郎教授。線毛は、気管支にたどり着いた異物を感知すると、咳をさせて体外へ排出する働きがある。さらに、線毛上の粘液に付着したゴミやウイルスは、1分間に約1cm程度のペースでベルトコンベアーのように運ばれ、口から痰として排出されるという。

線毛はいわば浄化の役割を果たしているわけだが、実は線毛が抜けてしまうことがあるから要注意だ!

「風邪や空気が汚れた環境に長期間身を置くと、気管支が炎症を起こし、線毛細胞が死滅することがあります。抜け落ちた線毛細胞の再生には3~4週間程度必要ですが、炎症が慢性化した場合、ちょっとしたことで咳が出たり、痰が絡んだりするだけでなく、線毛細胞が再生されにくくもなるのです」(同)
鼻や口から入った異物は、線毛の上にある粘液に付着し、線毛が体の外へ痰として運んでいく
気管支の細胞は再生する際、元はひとつの細胞が、線毛細胞と粘液を出す粘液細胞の2つになることがわかっている。しかし、気管支が慢性的な炎症を起こした場合、線毛細胞が少ない状態で粘液細胞が増加してしまうため、痰の増加になるのだという。仮にそんな症状になってしまったら、どうしたらいいだろうか?

「線毛の健康を考えれば、喫煙者はまずタバコをやめることです。薬による治療としては、清肺湯という漢方薬が効果的。これは線毛の動きを活発にし、痰と一緒に気管支内の汚れを排出しやすくするものです。モルモットを用いた実験では、清肺湯投与後、抜け落ちた線毛が元通り生えやすくなることもわかっています」(同)

これから気管支が炎症を起こしやすくなる季節、肺の健康を見直してみてはいかがだろうか。

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