グルジア→ジョージアに変更で話題ですが…

「ブータン=竜の国」!?国名の謎

2014.12.13 SAT


10月21日から25日までグルジアのギオルギ・マルグヴェラシヴィリ大統領が訪日。24日には安倍首相と会談、国名呼称の変更についても話し合った 写真提供/時事通信社
今年の10月下旬、グルジアの大統領が訪日した際、同国の日本での呼び方を、ロシア語を由来とする「グルジア」から、英語読みの「ジョージア」に変更するよう日本政府に要請したことが話題となった。

「グルジアの国名は同国の言語では『サカルトベロ』ですが、同国の要望もあり、世界の大多数の国では英語読みのジョージアという呼称を使用しています。一方、グルジアという呼称を使用しているのはロシアや旧ソ連圏、中国などごく少数で、以前から呼称を変更してほしいと要望がありました」(外務省大臣官房総務課)

これを受けて、日本政府は関連法案の改正を行う方向で検討しているという。

日本における諸外国の呼称は、「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」で規定されていて、日本国内で外国の国名や地名の呼称を変更するには、在外公館の名称も変更しなければならないので、同法律で規定されている名称を変更しなければならないというわけだ。

ちなみに、これまでにも同法で規定された国名や地名が変更された事例では、ビルマがミャンマー(平成2年)に、インドのカルカッタ市がコルカタ市(平成14年)になった例ある。

「同法における地名の呼称の決め方はケースバイケースです。ミャンマー、コルカタの場合は、相手国が名称を変更したため日本での呼称もそれに合わせたケース。相手国との関係、他に紛らわしい国名がないか、日本での慣用など、様々な要因を考慮して決められます」(外務省大臣官房総務課)

最後に挙がった“日本での慣用”のケースは、基本的には英語表記に準じている場合が多いという。

「国連加盟国の登録表記は、英語、もしくはフランス語が採用されており、日本は英語表記に準じる場合が多い。そのため、現地呼称と日本での通称が異なる方が多いのがむしろ自然です」

とは、『世界地図から地名の起源を読む方法』(河出書房新社)の著書でも知られる、流通経済大学社会学部の辻原康夫教授。ブータン(ドゥルッキュル=竜の国)、ハンガリー(マジャール=力強い国)、フィンランド(スオミ=湖沼)などがその一例にあたる(※カッコ内は現地呼称)。

しかしその一方で、オランダ(英語ではネザーランド)など、英語読みとも異なる国名表記がされるケースも少なくない。

「オランダの例をはじめ、英語にもフランス語にも当てはまらない呼称は、江戸時代以前に日本に西洋の文化を伝えたポルトガル人やそれ以降のオランダ人を通じて、彼らの呼称が定着したケースがあります」(辻原康夫教授)

代表例としては、ギリシャ〈グリース〉は“グレキア”、イギリス〈グレートブリテン・北アイルランド連合王国〉は連合王国のリーダー的存在であるイングランドのイングレスが、それぞれ訛って定着したといわれている。

“日本で慣例として使われている国名”の中には、なんと400年以上も親しまれている呼び方もあるということか。そう考えると、国名ひとつとっても、日本と外国の歴史が趣あるものに思えてくる。
(麻生雅人)

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