悪酔い・二日酔いにまつわる俗説を専門家が検証

ポカリとお酒で酔いがまわるのウソ!

2014.12.24 WED


アルコールを分解する過程で失われる水分とエネルギーをいかに取り戻すか。これが、悪酔い・二日酔い対策の肝なのだ
年末年始にかけて、忘年会や新年会などでお酒を飲む機会が増えてくる。ほどほどに飲めればいいけれど、ついつい飲み過ぎてしまうのがこの季節。せめて、悪酔いを軽減するための飲み方を知りたいと思ってネットを検索してみると、もっともらしいものから怪しいものまで、玉石混淆の悪酔い・二日酔い対策がズラリ…。

そのなかで気になったのは、「ポカリスエットとお酒を一緒に飲むと、酔いが回りやすくなる」という説だ。というのも、筆者は酔い覚ましのために、お酒を飲んだあとにはポカリスエットを飲んで寝るようにしていたから。多くのサイトでは、“ポカリスエットは体に吸収されやすいから、アルコールも一緒に吸収されて酔いやすい”というふうに説明されているけれど、これって本当なの?

「まったくのナンセンスです。アルコールは胃壁や上部小腸から吸収されます。たとえポカリスエットにどんな成分が入っていたとしても、アルコールはアルコール、水は水、電解質は電解質として吸収されるので、何かが合わさるから吸収されやすいということはありえません。むしろ悪酔いや二日酔いを避けるためには、ポカリスエットをどんどん飲んだ方がいいですよ」

こう語るのは、書籍『二日酔いの特効薬のウソ、ホント。』の監修を務めた、なかやまクリニックの中山健児先生。中山先生によると、アルコールは胃腸から血液中に吸収されたのち、アルコール脱水酵素によってアセトアルデヒドに変わる。このアセトアルデヒドの毒性が、頭痛や吐き気、むかつきなど、悪酔いや二日酔いのもとなんだとか。

「アセトアルデヒドは脱水酵素によって酢酸に変わり、最終的には水と二酸化炭素として排出されます。個人差はありますが、だいたいビールの大瓶を1本(※日本酒だと1合、ウイスキーだとダブル1杯相当)飲むと、代謝するのに3時間かかる。大瓶を3本飲んでも9時間寝ればすっきり起きられますが、それ以上飲んでしまうと翌日まで残ってしまい、二日酔いになるんです」

飲み過ぎてしまった場合の対処法として中山先生が挙げるのは、下の3つのアプローチだ。

【1】水分とエネルギーを補給する
アルコールは水よりもはるかに利尿作用が強く、ビールを1000ml飲むと尿は1100ml出て、100ml分脱水状態になる(*)。また、アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→水と二酸化炭素…と代謝する過程で、かなりのエネルギーが失われる。これらを補給することが、もっとも重要な悪酔い対策になる。ポカリスエットなら、脱水で失われるナトリウムなどが「ヒトのカラダ」に近いイオンバランスで含まれており、さらに糖質の働きで素早く水分を吸収できるのだ。

*出典:『患者指導のための水と健康ハンドブック』(日本医事新報社, 2006年)

【2】肝臓の機能を高める
少しでもアセトアルデヒドの代謝を速めるには、代謝の中枢である肝臓の機能を高めること。シジミなどの食材を食べたり、体を温めて血流を良くしたりするのが有効。

【3】尿や汗、呼気からアルコールを排出する
アルコールは尿や汗、呼気などから体外に出るため、アルコール以外の水分を摂ってたくさん尿を出すことで、アルコールそのものを体外に排出することができる。また、深呼吸したりカラオケで歌ったりするのも有効だ。

…ということで、お酒を飲んだあとにポカリスエットを飲むという筆者の習慣は、【1】【3】の観点からして間違ってはいなかったわけだ。ただし、飲むタイミングはもう少し早めた方がいいみたい。

「前もって飲む必要はありませんが、アルコールを分解する過程で水分が足りなくなるわけですから、お酒を飲みながらチェイサー代わりにガバガバ飲めばいいんですよ。ポカリスエットには電解質が含まれているでしょう?脱水状態の回復に優れています。水やお茶を飲むよりも効率的に水分補給ができるので、おすすめです」

「一番の悪酔い対策は、お酒の量を控えること」という中山先生のアドバイスを念頭に置きつつ、うっかり飲み過ぎた場合の対策として覚えておこう。

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