お稲荷さま、八幡さま、天神さま…

神社の祭神「ご利益」の秘密とは?

2014.12.30 TUE


神社本庁によれば、八幡系の神社が全国で最も多いそうだ (写真提供/PIXTA)
「お稲荷さま」「八幡さま」「天神さま」「神明さま」など、同じ呼び名で親しまれている神社は全国いたるところにありますよね。ということは、こうした神社はフランチャイズみたいなものなのか? 同じ名前ならご利益は同じなのか?…などなど、素朴な疑問を神社本庁広報センターの三井紳作さんにうかがいました。

「多くの神社は、“御霊(みたま)分け”というかたちで祭神を分けていただき、それぞれの土地に建てられていったものです。その意味ではフランチャイズに近いですが、主従関係のようなものはありません。御霊分けされた神社は独立して運営されます」

なんと、神様って分けることができるんですね。しかも、分けたからといって本社の御霊が減るようなことはなく、ロウソクの火を分けるように、いくらでもよその土地に御霊を分けることができる。しかし、同じ祭神を祀っているわけだからご利益も同じかと思いきや、そうとも限らないのだとか。

「たとえば、農業の神様を祀るA神社から御霊をいただいたB神社は、やはり農業の神様を祀ることになります。ところが、たまたまこのB神社にお参りした方々が子宝に恵まれたりした場合、そこへ新たなご利益が付加されることもままあります」

これもまた自由というか、お得感がありますね。その神社本来のご利益はそのままに、何かありがたい出来事が起こればご利益を上乗せしちゃうなんて…。

もっとも、そもそもご利益というのは、神社側が「うちはこんなご利益があるんだぜ!」と宣言するようなものではなく、歴史的には民衆側が神社にご利益を求めたのだそうです。つまり、ご利益の大小を決めるのは、神社の格や知名度、あるいは本社・分社の違いではなく、むしろ私たちの信仰心であるといえますね。

〈主な祭神〉
・お稲荷さま(稲荷神社・稲荷社)
主に宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀る神社。「稲荷」の語源は「イネナリ(稲成)」で、もともとは農業の神様だったのが、転じて商売繁盛の神様に。

・八幡さま(八幡神社・八幡宮)
応神天皇をはじめとする神様たちを祀る神社。源氏をはじめ武家からの崇敬が厚く、軍神として信仰されたためご神徳は護国や戦勝だったが、いまでは勝負事全般から無病息災、家内安全など多岐にわたる。

・天神さま(天神社・天満宮)
菅原道真公を祀る神社。太宰府天満宮や北野天満宮など、○○天満宮とつく神社はほぼ道真公を祭神としている。道真公は英知に秀でていたことから、学問の神様として信仰を集める。

・神明さま(神明神社・神明社・神明宮)
伊勢神宮(正式名称は「神宮」)で祀られている天照大御神(あまてらすおおみかみ)を各地に祀る神社。なお「神明」という言葉は、広く神様を意味する場合もある。

(須藤 輝)

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