名前の不思議調査隊/第8回

意外に多い! 動物に関係する名字

2015.01.01 THU


ズラリと表札を並べると、確かにお寿司やさんのよう イラスト/カセユミコ
一説によれば15万種類にも及ぶといわれる日本の名字ですが、比較的よく目につくのが山田さん、田中さん、川野さんなど、自然や景観に関係する名字。なかには自然のひとつである動物に関係する名字も見かけることがあります。そんな動物に関係する名字で、なにか変ったものがあれば知りたいところ。

「熊田さんや鷹宮さんなど、動物の名前とその他の漢字を合わせた名字の方は結構見かけますよね。ですので、動物の名前がそのまま名字になっているという、なかなか珍しいケースを紹介しましょう」

そう教えてくれたのは名字研究家の高信幸男氏。動物そのものの名前ということは、犬さんとか猫さんとか、そういうことでしょうか?

「そうですね。ただ犬さん、猫さんという名字の方は、私はいまのところ存じていませんが。猪さんと書いて“いのさん”や、虎さん、熊さん、狼さんという名字の方は確かにいらっしゃいますね。日本狼は絶滅したといわれているのに、名字には狼さんが残っているっていうのが、なんとも感慨深いんですよ」

なるほど。では他にはどんなものがありますか? 例えば海の生き物とか。

「海の生き物と同じ名字の方には、鰹さん、鰯さん、鯛さん、鯨さん、蛸さん、烏賊さん、蟹さん、海老さんなどがいますね。並べるとお寿司屋さんのネタに見えるくらい、たくさんあります。他にも海月(くらげ)さん、蛤(はまぐり)さんもいますね」

そういった方々のルーツはみんな漁師だったと考えていいんでしょうか?

「漁師がルーツの方もいらっしゃると思いますし、名字を考えた人が食べ物としてただ好きだったということも考えられますね。あと当て字という可能性もあります。例えば貝さんだったら、甲斐の国の“甲斐”から漢字だけを変えたというような例もあると思うんですよ」

さらに高信氏は、雀さん、鴉さん、鷺さん、鶯さんのように鳥にまつわる名字や、蝉さん、蝶さん、蜂さん、蚕さんといった虫にまつわる名字があることも教えてくれました。

名字を皆がもつことになったばかりの時代は、生き物と人との距離が今よりも近かったから、こういう名字が誕生したのでしょうね。

(山葉のぶゆき/effect)

※この記事は2012年01月に取材・掲載した記事です

取材協力・関連リンク

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト