名前の不思議調査隊/第12回

「衣食住」もそろう名字の世界

2015.02.01 SUN


道具に関係する名字の方は、こんなギャグを飛ばす事も可能 イラスト/カセユミコ
生活する中で様々な名字の方と出会いますが、なかにはめったにお目にかかれないような、珍しい名字をお持ちの方もいることと思います。例えば、鰻(うなぎ)さんや雀(すずめ)さんというような、魚や動物の名前がそのまま名字になっているケース。また、昆虫や植物の名前が名字になっている方も、あまりお見かけしません。そして、これはあくまで個人的な感覚ですが、道具の名前がそのまま名字になっている方がもしいらっしゃるならば、さらに珍しいような。

「それが実は全国にいらっしゃるんです。例えば料理に関係するものだけでも、鍋さん、釜さん、竈(かまど)さん、庖丁さん、桶(おけ)さん、箸さんなど多くの名字が存在しますよ」

そう教えてくれたのは名字研究家の高信幸男氏。鍋に釜に庖丁…勝手な妄想ですが、みんな集めると何か立派な料理が作れそうですね。

「そうですね。道具のほかにも料理にかかわるものだと、砂糖さん、塩さん、酢さん、醤油さん、味噌さんもいらっしゃいますし、さらにいえば“台所”という名字もあります。大根さん、昆布さんなど、食材の名前が名字という方もいらっしゃいますので、実在する名字を並べてどんな料理ができるか妄想を膨らませるのも楽しいんですよ」

“料理”に関連した名字があるということは、ほかにも暮らしに密着したジャンルの名字があったりするのでしょうか?

「衣類にかかわる名字も結構ありますね。針さん、糸さん、縫(ぬい)さん、衣(ころも)さん、袴(はかま)さん、腹巻さん、腰巻さん、呉服さん…。例外もあるでしょうが、縫製にかかわるお仕事をなさっていたご先祖がいらっしゃるケースが多いと思います」

料理に衣類とくれば、衣食住という言葉もありますので、住まいにかかわる名字もやはり存在するのでしょうか?

「住まいでは、木造(きづくり)さん、瓦葺(かわらぶき)さん、平屋さん、二階さん、屋根さん、柱さん、畳さん、障子さん、天井さん、水道さん、風呂さん…。全部あわせると立派な家が建つんじゃないかというほど、いろんな種類がありますよ」

また高信氏は「名字で存在するものは、基本的には江戸時代までにすでに呼び名がついていたもの。名字から当時の人々がどんなものに囲まれて暮らしていたのか考えるのも、名字を研究する醍醐味です」と語ってくれました。

考えてみれば、ご先祖さまから代々受け継がれている名字。親がつけてくれた名前とともに、ずっと大切にしたいものです。

(山葉のぶゆき/effect)

※この記事は2012年02月に取材・掲載した記事です

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