大人なら押さえておきたい

日本版チップ、心付けの作法とは?

2015.02.14 SAT


旅館では宿泊料金にサービス料が含まれている場合もあり、心付けを断られることも。「その際は断られても2、3回は勧め、それでも相手が辞退するのであれば無理強いしないようにしましょう」(明石さん)。一回で引っ込めてしまないように注意!
欧米では、ホテルのボーイやレストランのウェイターに、本来の料金とは別にチップを渡すのが一般的。だが、日本にも似たような慣習がある。いわゆる“心付け”だ。旅館の仲居さんや結婚式の進行を手伝ってくれるスタッフなどに金銭を渡すケースが多いようだが、チップとは似て非なる性質のものだという。両者の具体的な違いを、日本マナー・プロトコール協会の理事・事務局長を務める明石伸子さんに伺った。

「チップは、サービスを受けた対価として渡すお金なので、サービスを受けた後に渡します。一方で、心付けは、その日お世話になる人に『今日はありがとう、どうかよろしくね』という挨拶の意味を込めて渡すお金。そのため、必ずサービスを受ける前に渡すんです」

心付けはあくまでも“挨拶”であり、何かをしてもらったことに対する“謝礼”と比べると簡易的なものだ。そのため、渡す方法や相手を間違えると失礼になってしまうこともあるという。

「例えば、渡す際に祝儀袋などに入れるのはやや大仰。お年玉で使うようなポチ袋に入れるようにしましょう。また、披露宴のために依頼したプロの司会者や、スピーチをしていただく友人や上司などに渡すのも、相手を軽く扱っているように取られかねません。こうした場合は式が終わった後にきちんと“御礼”という形で渡した方がいいでしょう」

大病を患った際、主治医に家族が心付けを渡すケースもあるが、これも同様の理由で失礼にあたるためお勧めできないとか 。また、葬儀のように身内に不幸があった際にも、葬儀関係者には心付けというより、“御礼”を渡す方が望ましいようだ。

「心付けを渡していいケース、悪いケースに関しては慣習的な部分もあるため、明確な線引きは難しいのですが、例えば引っ越し業者の方などに渡すのは問題ないと思います。また、同窓会などでお店を貸し切った際、『ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします』と、事前に店長さんに心付けを渡しておくのも、幹事さんとしてはスマートですね」

と明石さん。謝礼との使い分けがなかなか難しい心付け。適切なシーンでさりげなく渡せるようになれば、大人としても一人前…といったところだろうか。
(森石豊/Office Ti+)

※この記事は2012年2月に取材・掲載した記事です

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