Amazonでは取り扱いNG…

波紋広がる「イルカ」の味とは?

2015.02.28 SAT


「イルカのすまし」は同地方で昔からおやつ代わりに食べられていた伝統食。その食感から別名「チューインガム」とも呼ばれる
「日本で行われているイルカの追い込み漁は非人道的」。キャロライン・ケネディ駐日米大使は1月、自身のツイッターアカウントでこのような書き込みをして波紋を呼んだ。イルカ漁は、宮城、静岡、和歌山あたりが有名だ。

これに対し、ネット上では「牛や豚ならいいのか」「イヌイットのクジラ漁は?」などと反発の声が上がり、安倍首相も「批判があるのは知っているが、古来から続く文化・慣習として理解してほしい」とコメントした。

とはいえ、ほとんどの人は「イルカなんて食べたことないけど…」というのが実情のはず。ならば、食べてみようではないか。

都内で「イルカの甘露煮」を出す居酒屋があると聞いて、さっそく電話をかけてみた。すると、「ああ、あれは今やってないんですよ」とのお答え。残念。

さらに探すと、銘酒市川(静岡県静岡市)という酒屋さんから「イルカのすまし」という珍味をお取り寄せができることがわかった。

ネットで注文ボタンを押して2日後。待望の品がクール便で届いた。150gで1260円(送料別)。なかなかのお値段だ。説明書には「イルカの背びれ、尾びれを薄くスライスし、3日間かけて丁寧に血抜きをした後、塩茹でしました。そのままお食べ下さい」とある。

そのまま食べてみる。おお、こりこりとした食感と薄い塩味。独特の香りというか臭みもうっすらとある。味自体の主張はそんなにないので、食感を楽しむものなのだろうか。単体で食べるというよりは、酒の肴に向いていそうだ。

心中で合掌しながらいただいたうえで、銘酒市川ウェブ通販事業部・原 宏樹さんに話を聞いた。

「静岡県の中部、東部、伊豆地方では、イルカ肉が多くのスーパーの鮮魚売り場に並んでいます。一方、『イルカのすまし』は中部のさらに東側、由比・蒲原地方の特産ですね」

調理するうえでの難しさはあるんでしょうか?

「やはり、『すまし』の製造工程では臭みを消すための血抜き作業が重要です。肉料理の場合は血抜きをしないので、生姜や味噌で味つけしたり、ごぼうやこんにゃくなどと一緒に煮込むことが多いようです」

ケネディさんの一連のニュースで、売り上げの変化はありましたか?

「いえ、特にありません。ただ、東日本大震災の影響でイルカ漁が盛んな宮城エリアが大打撃を受けたため、原材料の確保が厳しい状態が続いています」

問い合わせや苦情が増えたりとかは?

「それもないですね。あ、でも先日、小社の取扱商品を通販最大手のAmazonにまとめて出品した際、『クジラ肉、イルカ肉は販売できない』と断られました(笑)」

あら。やはり米資本だからでしょうか。イエスともノーとも言えないこの問題ですが、「古来から続く文化・慣習として理解してほしい」という安倍さんの気持ちはよくわかりました。
(石原たきび)

※この記事は2014年2月に取材・掲載した記事です

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