社会が作り出した「偽の欲望」に踊らされるな!

二村ヒトシ「恋愛は娯楽じゃない」

2015.02.26 THU


にむら・ひとし 1964年生まれ。慶應義塾大学中退。AV男優を経て1997年にAV監督としてデビューし、痴女、レズ、女装モノなどのジャンルを開拓する。98年の刊行後二度も復刊された『すべてはモテるためである』、“自己受容”をキーワードに苦しい恋愛の秘密に迫った『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』など著書多数 撮影/藤木裕之
「社会人になってから、恋愛がしづらくなった…」。そんなお悩みに対して、AV監督・二村ヒトシさんに、アドバイスをもらった!

●お悩み1
女の子との出会いがまったくなくなりました。社会人は合コンに誘われると聞いていたんですがさっぱりです。友達は街コンに参加していますがガチっぽくて恥ずかしいし…。どうしたらよいのでしょう?(23歳・東京都)

「合コンに“誘われない”とか“ガチっぽくて恥ずかしい”とか、『出会いがない』って言う割には、ずいぶん受け身だね。でも君は、このままではヤバいという危機感もなんとなく持っている。このズレは、今の社会のせいでもあるんだよ。マトモな会社に就職したら、結婚して家族を養わないと社会的信用を得られないから出世もできない。周りを見れば友人たちは童貞を卒業していくし、マンガの世界では主人公が仕事で成長しながら都合良く彼女もゲットしている。“自分もそうじゃなきゃいけない”という焦りやプレッシャーが生まれて、生きづらくなるんだ。でもこれって全部、社会が作り出した“ニセの欲望”。もしかしたら、君はそれに踊らされて『モテたい』と言っているに過ぎないのかもしれないよ。

僕は“女性を口説くこと”や“初めての相手とのセックス”がしたくてしたくて、AV男優になり、やがて監督になりました。同じように、君がどうしてもしたいことって何だろう? 女の子と話すこと? たくさんセックスすること? そもそもなぜモテたいの? 寂しさやコンプレックスから解放された気がするから…? やみくもに出会いの数を増やそうとする前に、考えることはたくさんある。自分の内側からわき上がる感情に目を向ければ、それが作られた欲望なのか本当の欲望なのかが分かって、自分のするべきことが見えてくるはず。きっと、『恥ずかしい』なんて受け身ではいられなくなるよ」

●お悩み2
好きな子はできるんですが、仕事で疲れてデートがおっくうです。仕事に慣れたら大丈夫かと思っていたんですが、先輩たちもみんなそうみたいで…。どうしたら積極的にデートできるでしょうか。(23歳・千葉県)

「休日のデートでリフレッシュし、また明日から仕事を頑張る。それが理想の恋愛像だと考える人も多いかもね。でも恋愛って、本来は息抜きとは真逆の作業。映画のように2時間で終わるものでもないし、オナニーのように自分だけ気持ちよくなるわけにもいかないでしょ? 仕事と同じくらいつらいし、傷つくし、相手という鏡を通して“自分自身とは何なのか”を痛いほどに見つめさせられるものなんです。

ところが社会人になると、キツい仕事の反動で、恋愛を一時の清涼剤のようなものだと勘違いしてしまう。もっと怖いのは“仕事は義務だけど、恋愛は娯楽だから、しなくてもいい気がする”と思うこと。恋愛や相手が面倒になって逃げたくなるのは、そういう気持ちの表れです。

恋愛も仕事も、盲目的に素晴らしいものではないし、“マヤカシ”の部分も多い。だからって、すぐに放り出してしまうのではなく、“マヤカシ”や面倒くささを理解したうえで、目の前の環境を楽しむ方法を見つけてみよう。そうやっているうちに必ずホンモノの相手に出会えたりするから、人生って面白い。気づいたら出世もしてるかもね(笑)」

(池田香織/verb)

  • 「恋愛相談の答えって、結局自分で出すしかないからね。セックスの具体的なテクニックなら、いくらでも教えてあげるよ(笑)」と二村さん
    イラスト/谷口菜津子

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