恋愛コンプレックスの原因は親からのプレッシャー?

草食系の「社会人非モテ」回避講座

2015.02.26 THU


(左)たなか・としゆき 1975年生まれ。武蔵大学社会学部助教。社会学博士。男性が男性であるがゆえに抱えてしまう問題を扱う『男性学』を専門とし、労働問題や恋愛、家庭環境についての研究やコラム執筆などを行う。著書に『男性学の新展開』など (右)ふかさわ・まき 1967年生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。コラムニスト・淑徳大学客員教授。2006年には「草食男子」や「肉食女子」を命名。著書に『女はオキテでできている―平成女図鑑』、『日本の女は、100年たっても面白い。』など 撮影/
「社会人になってから、恋愛がしづらくなった…」。そんなお悩みに対して、「草食男子」を命名した深澤真紀さん、「男性学」の専門家・田中俊之さんに、アドバイスをもらった!

●お悩み1
“草食系”なので、女の子が喜ぶデートがわかりません。社会人になって恋愛にお金がかかるようになり、いいレストランに連れて行くお金や勇気もない…。女の子を満足させられる自信がありません。(25歳・東京都)

田中:この人は、自分の価値観と合った女の子を見つけられていないという気がしますね。
深澤:女の子側にも問題がありますね。デートでイマイチな店に連れて行かれると「うわぁ、食べログの評価がイマイチ…」なんてガッカリする。そういう女子は昔からいましたが、SNSが登場したことでよりシビアになっているのは感じます。つまり、デートの内容をSNSや女子会で発表して、お互いに“いいね!”し合うわけですよ。そのために彼氏にオシャレな店を要求している。本当は家で鍋を作って2人で食べるだけでも楽しいかもしれないのに、周りの目を気にしてしまう。
田中:そういうデートが好きな女性もたくさんいるのに、もったいないですよね。そもそも、「誰と何をしたいか」という具体性が欠けていることが気になります。デートって本来は、自分のしたいことを、一緒にしたい相手とするから楽しいもの。なのにお店のランクや、費やしたお金でしか男らしさを評価してもらえないような古い世代の文化や価値観が残っているから、こうやって“非モテ”に苦しむ人が増えるんだと思います。
深澤:“非モテ”という悩みは主に女子のものでしたが、今や男子にも大きくのしかかるようになりましたよね。仕事も大事だけど、恋愛も同じくらい充実させないとすぐ“草食系”と言われてしまう。

田中:そうですね。僕は大学で「男性学」を教えているのですが、“草食男子”という言葉を誤解している人が非常に多いと感じています。
深澤:“草食男子”は、男尊女卑の感覚が根付いた団塊世代やバブル世代の男性と違って、女性を対等に見られるし、大切にできる。もともとは、そんな新しい世代の若者を褒める意味で命名したんです。
田中:この言葉が登場した時は「ようやく男性も肩の力を抜いて恋愛していいんだ」と思えました。ところが、恋愛やセックスに消極的な男に対し、「情けない」だとか「もっと向上心を持て」だとか、世間の反発は予想以上にすごかった。仕事や男らしさなど以外の、複数の価値観を持つ男性が登場するようになったことは、本来いい変化だと思うんですけどね。

深澤:若い世代が恋愛にコンプレックスを抱えてしまう背景には、親からのプレッシャーも関係していると思います。バブルを生きた親からしたら、自分の息子がモテないなんて信じたくないんですよ。この間も、ある男子学生が母親に「あんたはちゃんとリア充なの?」と心配された、と話していて驚きました(笑)。
田中:「恋人ができない自分はおかしいんじゃないか?」という思い込みに悩まされてしまうんですよね。だからこの相談者のように、自分の身の丈以上のことをしてモテようとしてしまう。
深澤:恋愛は、将来長きにわたって自分が生きやすい人間関係を築くためにあるもの。それを見失って、“出会い”や“恋人を得ること”だけを目的とした恋愛をしても、苦しいだけですよ。

(池田香織/verb)

  • 「人間関係は数じゃない。『友達100人できるかな』は呪いの言葉ですよ」(深澤さん)、「確かに(笑)。出会いは質が大切ですからね」(田中さん)
    イラスト/谷口菜津子

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