東京駅とNYグランドセントラル駅が姉妹認定

姉妹○○ってどんなことをするの?

2015.03.20 FRI


東京駅と姉妹駅の関係を結ぶオランダのアムステルダム中央駅の外観。2つの駅は、赤のレンガ造りで横に長い構造であることや、両国のそれぞれの中心的な存在の駅であることなどから姉妹駅になったという。確かに、よく似ているかも
先日、東京駅とニューヨークのグランドセントラル駅が姉妹駅に認定された。「姉妹○○」という言葉はよく聞くけれど、いったいどんな目的があるのだろう?

「姉妹○○」とはそもそも、自治体や法人、各種団体同士が文化交流や親善を目的とした友好関係を結ぶこと。ゆえに、駅以外にも交流事例は存在するが、詳しい取り組みまでは様々。まずはポピュラーな姉妹都市について、自治体の姉妹提携に詳しい自治体国際化協会に聞いてみた。

「姉妹都市の目的は、情報交換や技術開発の相互援助などを通して、相互交流を深めること。海外との提携件数は現在1631件あります。代表的な成功例としては、横須賀市がコーパスクリスティ市(米)・ブレスト(仏)・フリマントル(豪)・メッドウェイ(英)の4都市と結んだものが挙げられます。横須賀市は、この4都市との交換学生プログラムのテーマとして、途上国の生産環境や生産者の権利を尊重する“フェアトレード(公正な貿易)”を掲げ、世界の生産国の調査やプレゼンテーションなどを合同で行いました。この難しいテーマを学生主体で啓蒙した活動が、先進性のある取り組みとして、2012年の優良事例として表彰されました」

ただ、こうした関係性は、財政悪化や、首長の交代、または国家レベルの問題が勃発すると、活動縮小や、時には破棄に至ることも。

「たとえば、2008年の竹島(韓国名・独島)問題では、鳥取県鳥取市と清州市(韓)間の交流事業が無期限で延期になりました。また2010年には、尖閣諸島問題が原因で、中国と友好都市提携を結ぶ各地の自治体で、様々な事業がとりやめになったのは有名です」(同)

国家間の交流が不安定な時こそ交流事業を続けるべき、という意見もあるが、そう簡単にはいかないようだ。昨今の教育事情に詳しい森上教育研究所の後藤氏曰く、学校同士の友好関係「姉妹校」に関しても、提携中に問題が起こることはよくあるという。近年では、早稲田大とペンシルバニア大の法科大学院間における姉妹校提携が、相互のメリットが不平等、という理由で、近年継続が危ぶまれたという。提携終結に至るケースには、こういった理由も多い。

ここで、話を東京駅とグランドセントラル駅の姉妹駅提携に戻そう。特定の施設となると、取り組みはさらにかぎられてしまいそうだが、実際どうなのか? JR東日本の広報担当者曰く「具体的な内容はまだ決まっていません」とのこと。ただ、姉妹駅については、これまでも上野駅と北京駅、横浜駅と上海駅、そして長野原草津口駅とビーティッヒハイム・ビッシンゲン駅(ドイツ)などの例があり、その大半は、自治体同士も姉妹・友好都市提携を結んでいる。もともと立地面や性格面での共通項があり、派生的に姉妹駅となるケースが多く、提携後の具体的な取り組みはそこまで行われていないようだ。

しかし、一方では、箱根登山鉄道とスイスのレーティシュ鉄道(旧ベルニナ)間の「姉妹鉄道」提携などは、提携から30年を過ぎた今もなお、積極的な取り組みが行われている。箱根登山鉄道はスイスのベルニナ鉄道がモデルで、車内にはスイスの写真を展示。駅舎には、スイス風の花時計を設置したこともある。さらにスイスでは “箱根登山電車”と大きく描かれたラッピング車両が登場するなど、その内容は多岐にわたる。

国際交流予算の削減や、休眠していた提携が、事業仕分けなどにより解消されたこともあり、近年、「姉妹○○」の提携は慎重に吟味されるようになってきているという。せっかく提携を結んでも、何もしなければ意味がない。名ばかりではない「姉妹○○」の登場に期待したいところだ。
(池尾優)

※この記事は2013年3月に取材・掲載した記事です

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