国立遺伝学研究所の専門家が語る「老化と遺伝」の真実

「薄毛は隔世遺伝」は嘘だった!?

2015.03.22 SUN


老化現象とは、先天的な要因と後天的な要因に左右されるもの。少なくとも両親を見てガッカリ(?)する必要はない。また、「“隔世遺伝”の噂にいたっては、祖父母の時代と今ではだいぶ環境も異なりますから検証自体が難しく、参考にならないでしょう」(小林武彦先生)とも (写真提供=Getty Images)
アンチエイジングを考える際、やはり気になるのが親のルックス。よく、「薄毛は隔世遺伝する」といわれるように、薄毛や白髪、シワといった老化現象は、やはり持って生まれた宿命として受け入れるしかないのだろうか?

「たしかに遺伝は無視できない要因です。しかし、両親2人の遺伝子を受け継いでいる以上、父や祖父が薄毛だからといって、自分も薄毛になるとは限りません。過剰に心配する必要はないと思いますよ」

そう語るのは、国立遺伝学研究所の小林武彦先生だ。

「たとえばひと言で『薄毛の原因遺伝子』といっても複数あり、それらが複雑にかかわって起こるものなので、一概に“隔世遺伝”とはいえません。また、白髪の原因のひとつは色素細胞の老化によるものですが、これは日々の努力によって色素細胞の老化を遅らせることが可能です」

つまり、遺伝だからしょうがない…と諦める必要はないのだ。“日々の努力”の例を挙げれば、紫外線を避けたり、規則正しい生活を心掛けたりすることだとか。また、小林先生からこんなアドバイスも。

「食べ過ぎは老化を進める一因になります。これは車と一緒で、同じ年式でも走行距離が長い方が消耗するため。たくさん食べて、たくさんエネルギーを燃やすほど酸化物質が溜まり、結果として老化につながります」

なお、遺伝子と老化の関係でいえば、近年になって寿命を延ばす可能性のある「サーチュイン遺伝子」も注目されている。

「サーチュイン遺伝子は老化を抑制する遺伝子で、酵母菌や雄マウスにおいては、これを多く持つ個体ほど長生きする現象がすでに確認されています。また、このサーチュイン遺伝子を活性化させる物質も特定されていますし、これらを生かした効果的なアンチエイジング法がそのうち登場するかもしれませんね」

(友清 哲=取材・文)

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