もっと知りたい占いの雑学/第10回

神事と占いの関係とは

2015.04.14 TUE


一見つながりがないように思えても、神事に関わる勝負事には、収穫の予想、豊作の祈願といった人々の思いが託されている イラスト/中垣ゆたか
相撲がただの格闘技でなく、神事でもあるということをご存じでしょうか? 他にも綱引き、流鏑馬(やぶさめ)など、各種お祭りでの勝負事には神事の要素を含んでいるものが多いようです。さらにこれら神事にまつわる勝負事には“占い”の要素もあるとのこと。ちょっと意外な気もします。

「ただの勝敗ではなく、その結果から神の意向を読みとり、地域共同体の未来を予測しようという考え方ですね。神事はもともと占いとのつながりが深く、神道には占いと関わりのある儀礼が数多くあります」

そう教えてくれたのは、國學院大学・神道文化学部の井上順孝教授。その他の宗教の行事では、占いに関するものはあまり聞かないのですが、神道はその点特別なのでしょうか?

「そうではありません。宗教と占いは古代から深い関係をもっています。ただし、一神教であるキリスト教、イスラム教では、本来の教義から言うと絶対神以外の力を認めることになりますから、基本的には占いは“信ずべきものではない”ということになります。仏教宗派の中にも、深い信仰には不要なものとして占いを教義的に否定しているところがあります。しかし、神道には、そもそも厳格な教義や戒律というものがありません。むしろ『神の意図しているところを知る手段』として占いが古くから重視されてきたところに特徴があります」

神の意図しているところを知る、ですか。我々が思う占いとはイメージが違うんですね。

「例えば天皇の即位に際して行われる大嘗祭では、祭に供える稲を出す斎田(さいでん)を、どの地のものにするかを占いによって選びます。このように、国家的な儀礼に際して占いがなされることもありましたし、自然災害や疫病の理由や、それへの対策を練るために占いがなされるということもありました。かつて占いがもっていた役割は、個人的な占いが主流の現代に比べ重いと言えます。ただ国家や共同体に関わる占いと、個人の運勢を知るような占いとは、少し異なるものとして考える場合があります」

ちなみに、神社で個人的なことを占ってもらうことはできるのでしょうか?

「そういうことをやっている神社はあまりありません。ただ、東大阪市にある瓢箪山稲荷神社では『辻占』という占いを宮司がやっています。これは通りかかった人の行動、着ている服などを占う手がかりとするもの。この辻占は珍しいですが、お粥を使った『粥占』というものは、今でも行っている神社がけっこうあります」

人が通りかかるのをひたすら待つ、なんてこともあるんでしょうか。雅なものを感じる面白い占いです。我々がイメージする“占い”と、神事としての占いにどこか趣の違いを感じるのは気のせいですかね~?

(のび@びた)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト