制作200万円、イベントに1000万円!?

ゆるキャラの「ユルくない懐事情」

2015.05.23 SAT


写真は大崎一番太郎。「一番めざしてガンバるぞ!」が口癖の宇宙人。大崎駅西口商店街の活性化に貢献している
くまモンやふなっしーなど、地域の看板として大活躍のゆるキャラたち。各地でイベントが開催され、人気のキャラは引っ張りだこ。しかし、そのかわいい外見とは裏腹に、金銭面はかなりシビアなんだとか。東京・大崎駅西口商店街で活動するゆるキャラ「大崎一番太郎」を運営する犬山秋彦さんにお話を伺った。

「グッズを販売しても、売れるのはくまモンやふなっしーなど、ごく一部の人気キャラだけ。売れずに在庫をたくさん抱えるゆるキャラは山のようにいますよ」

のっけからリアルな内情が! そもそも、ゆるキャラを作るのにはどのくらいの費用がかかるのだろうか。

「デザイン費に関してはピンキリですね。著名な方が無償でデザインを引き受けてくれる場合もあれば、公募制にしてデザインが採用になった人に10万円くらいの報酬を出すパターンもあります」

広告代理店を挟むケースもあるが、そうなると1体につき100万~200万円くらいが相場。ただし、デザイン費、制作費、プロデュース料すべて込みでこの値段なので、法外というわけでもなさそうだ。では、着ぐるみ自体の制作費は?

「よく見る普通の着ぐるみ(くまモンなど)は40万~80万円くらいはします」

高い! と思うことなかれ。着ぐるみは消耗品。手や足の裏はすぐにすりきれるため、コストをかけて頑丈なものを作らないと、維持費の方が高くついてしまう。

「クリーニングに出すだけで1~2万円くらいしますから。あとは着ぐるみの収納スペース代、スタッフの人件費など細かい経費はたくさんあるんですよ」

このように、見えない出費はかなりある模様。とはいえ、イベントの出演料でカバーできるのでは?

「イベント出演料は基本的に出ないんです。地方のイベントに遠征する場合は、車中泊して宿泊費を浮かせたりもしますよ。そうでもしてPRしていかないと、みんなに顔と名前を覚えてもらえない。ゆるキャラは認知されて初めて力を発揮しますから」

認知度を上げるためにも一番有効なイベントが、年に1度ある「ゆるキャラグランプリ」。某自治体では、このイベントに700万~1000万もの予算をかけているんだとか! そのほとんどが広告費や宣伝費に使われるという。

しかし、個人でやるならまだしも、税金をかけて、無理やり人気を作り出すようなゆるキャラの運営方法はいかがなものかという気持ちになるが…。

「くまモンのように莫大な経済効果を生み出すゆるキャラがいると、どうしてもそこを目指したくなるんですよね。でも、ゆるキャラの効果はなにもお金によるリターンだけではありません。例えば自治体が市民にゴミの分別を促すのにも、Twitterでかわいいキャラクターが呼びかけてくれる方が、みんな興味を持ってくれますよね」

地域を盛り上げるためにも、進んで地元の活動に参加するなどして、時間をかけて認知度を上げていく必要があると犬山さんは言う。

今は人気のない負け組キャラでも、数年後には爆発的な効果を発揮してくれるかもしれない。
(中村未来/清談社)

※この記事は2014年5月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト