地域によってこんなに差があるなんて!

「どちらにしようかな♪」の歌の謎

2015.07.28 TUE


ものや人を選ぶときの歌は世界各地にあり、英語では「Eeny, meeny, miny, moe…」(イーニーミーニーマイニーモー/言葉のリズムだけで意味はない)から始まる歌が一般的だそう 写真提供/GettyImages
ものを選ぶときに使う、「どちら(どれ)にしようかな、天の神様の言うとおり」という歌。続きの詞について、神奈川県出身の筆者は「なのなのな、鉄砲撃ってバンバンバン」がスタンダードだと思っていたんですけど、他県出身者と話していると…。

「“なのなのなすびの柿の種”だろ」(北海道出身)
「そもそも“裏の神様の言うとおり”だから」(三重県出身)
「“ひよこのお散歩”のくだりはあるよね?」(鳥取県出身)

など、地域によってかなりバリエーションがある様子。これってなんで? ということで、國學院大学の講師として日本民俗学を教える、小野寺節子先生に聞きました。

「歌詞にもあるように、もともとは“神様”の力を借りる占いの歌だったと考えられます。それが神事に携わる人々の間で詠唱として広まり、地域の信仰に合わせたり、あるいはその土地の子どもたちにとって違和感のない言葉に置き換わったりするなかで、多くのバリエーションが生まれたのでしょう。ちなみに“裏の神様”は“おら(自分たち)の神様”という意味で、地域特有の氏神様などを指していると思われます」

なるほど。では、地域を問わず、「柿の種」(北海道・東京都・岐阜県など)や「鉄砲」(福島県・神奈川県・沖縄県など)という詞が多いみたいなんですけど、その理由とは?

「占い歌においては、強いもの、生命力のあるものを取り入れることが多いんです。鳥取県などで歌われている“赤豆・青豆・黄色豆”や、福島県などで歌われている“赤豆・白豆・天の豆”が好例。畑作時代、豆や雑穀は生命力を象徴するものだったので、色豆は占いによく出てきます。また、擬音でリズムをつけるのが、わらべうたの特徴。鉄砲とセットになっている“バンバンバン”や、関西に多く見られる“プップップッ”など、子どもが親しみやすい音は、広い範囲で使われているようです」

「どちらにしようかな」の歌についてリサーチしてみて分かったのは、出身地や世代を問わず、かなり盛り上がれる話題だということ。上司や後輩との会話に詰まったときや、合コンのネタに使ってみてはどうでしょう?
(橋川良寛/blueprint)

※この記事は2011年7月に取材・掲載した記事です

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