ホタルイカはOK? ライチョウはNG?

「天然記念物」食べられるワケは?

2015.07.16 THU


富山湾沿岸では4~5月ごろに「ホタルイカの身投げ」とも呼ばれる、発光した大量のホタルイカが浜に打ち寄せられる幻想的な光景が見られる。
寿司屋や居酒屋で、おつまみとしてよく登場するホタルイカ。日本酒との相性が抜群だけど、特別天然記念物だって聞いたことがあるような…。なぜ食べてもOKなのか? そんな疑問を抱き、「天然記念物」を所管している文化庁記念物課に聞いてみた。

「厳密に言うと、乱獲しない限りホタルイカを捕獲することは問題ありません。富山湾に産卵のため浮上してくるホタルイカのいる海域が、『ホタルイカ群雄海面』として特別天然記念物に指定されています。なので、深い海で産卵に参加しないホタルイカは食べていただいて全く問題ありません」

そう教えてくれたのは、同課の柴田さん。なるほど。深い海のホタルイカ自体は特別天然記念物に指定されていないから、捕獲して食べても問題ないんですね。しかも柴田さんによると、「特別天然記念物」ではない「天然記念物」のなかには、食べてもOKなものが結構あるのだとか。


「『特別天然記念物』は、国から特に守るべき価値があるもの指定され、保護・保存が徹底されているので、基本的には食べることは禁じられています。ただ、『天然記念物』のなかには食べても問題のない動物もいます。たとえば、人間に飼育されてきた家禽類で天然記念物に指定されている烏骨鶏(うこっけい)や軍鶏(しゃも)、薩摩鶏、比内鶏(※一般に流通している薩摩地鶏、比内地鶏とは異なる)などは、食用も可能です。それは、人間に飼育されることが前提で、そのことで種を維持しているという考え方に基づいています」

また、家禽類以外でも、山口県萩市の北方に浮かぶ見島に生息している天然記念物・見島牛(みしまうし)のうち、天然記念物としての管理から外れた個体は、希少かつ上質な肉質と食通に人気のブランド牛になっている。

ただ、そもそも「特別天然記念物」として保護されるのは、あくまで「国内」にいるものが対象。たとえば日本では「特別天然記念物」に指定されているライチョウ。ヨーロッパではジビエ料理の食材として一般的で、日本のライチョウとは(ライチョウ属の)別の種になるが、輸入したものなら日本でも食べることは可能だ(※各種の国際条約をクリアしているものに限る)。

もし「どうしても食べてみたい!」ということであれば、海外に行くか、ジビエ料理専門店に足を運んでみては?
(辺土名悟/GRINGO&Co.)

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