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国立大「文系改廃」に元総理も批判

2015.08.27 THU

噂のネット事件簿


確かにキャンパスで遊び呆けているイメージなのは文系学生だが…
文系学部がある国立大学60校のうち26校が、文系学部の改廃を計画していることを、8月24日付の読売新聞が報じ、波紋が広がっている。

文部科学省は今年6月、全国の国立大学に対し、組織や業務全般の見直しを迫る通知を出した。その内容は、社会貢献やグローバル化、交付金の配分方法にまで多岐にわたったが、注目を集めたのは「組織の見直し」という項に記された、教員養成系・人文社会科学系学部・大学院の見直し要請だ。文科省は、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めること」と記し、これが文系学部への廃止通告だとして大いに話題になった。

この件に関して読売新聞は、全国の国立大学長にアンケートを実施。文系学部のある全国の国立大60校のうち26校が、来年度以降、文系学部の改廃を計画していることが判明した。また、「教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる」ことも報じられた。

文科省の通知に対しては、内閣府の特別な機関である日本学術会議が7月、「大きな疑問がある」と通知を批判する声明を発表したが、同様の疑問を感じている人は多いようだ。読売新聞の記事に対し、ツイッターには、

「人文とか人多いけど何やってるかわかんないしな」
「理系から見ると『文系って何してるの?』というのが正直な印象」

と、文科省の方針を容認する声もあるものの、

「企業にとって役に立たない文系は廃止って事か。新自由主義者の考えそうな事だ」
「大学は職業訓練校じゃない部分も必要でしょうに」
「役に立つことと、合理的なことだけが望まれる社会なんだね。勉強ってなんだろ」
「文系は確かに直には金に繋がらないけど、国の繁栄には必須だろ。経済学者とかさ」

と、これに反発するコメントが多数登場。また、

「政府にちょっと言われると、このあり様。圧力をかける政府が一番悪いけど、国立大側も教育機関としての矜持ってものがないのかな」
「文科省も文科省だが、保身に走り補助金という毒団子をやすやすと食って文系学部の改廃に応じてしまう学長の見識を疑う」

など、大学側の姿勢を問題視する意見も寄せられている。また、野田佳彦元総理大臣も8月24日、

「社会的要請の高い分野への転換とは、産業界の要請を踏まえ稼ぐ力に直結した理系分野に教育資源を集中させることです。しかし、特定の社会の要請かもしれませんが、果たして広範な国民の要請でしょうか。少なくとも、私立文系出身の私には、全く理解できません」
「社会も産業も大きく変わりつつあるいま、国立大学も変わらなければならないことは間違いありません。(中略)しかし、だからといって、文系は不要で実学の理系を重視するという方向づけは、あまりにも短絡的ではないでしょうか」(一部抜粋)

と、ブログに記すなど、文系改廃への流れを批判。国民の理解を得ることなく決められた方針転換に、多くの人が不信感を抱いているようだ。
(金子則男)

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