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エンブレム検証はネット時代の宿命

2015.09.03 THU

噂のネット事件簿


エンブレムの取り下げを発表する東京オリンピックの公式サイト。サイトの左上には招致の際に使用されたエンブレムが掲げられている ※この画像はサイトのスクリーンショットです
2020年東京オリンピックの大会組織員会は9月1日、佐野研二郎氏がデザインした大会エンブレムの使用中止を決定。世間を騒がせた佐野氏のデザインに対する様々な“パクリ疑惑”は、最終的にエンブレム取り下げという形で決着した。

エンブレムがベルギー・リエージュ劇場ロゴに酷似しているとの指摘は、劇場ロゴのデザインを手がけたグラフィックデザイナーのオリビエ・ドビ氏が、ツイッターやFacebookで「驚くほど似ている」と発信したことに端を発する。それを見た日本のネットユーザーが、2ちゃんねるやツイッターで佐野氏の過去の作品を含めて次々と検証。いくつもの“パクリ疑惑”と、それにまつわる佐野氏への非難や中傷が次々と巻き起こることとなった。

批判を受けた佐野氏は今回のバッシングに「人間として耐えられない」とコメントを発表し、自らもエンブレムの取り下げを申し出ていた。

今回の騒動に対し、ツイッターでは

「エンブレム問題、ネットがなかった時代ならきっとここまで騒がれずにそのまま使用ってことになってたんでしょうね。
個人でもいろんなことを調べることができて発信できる環境にある今だからこそ、エンブレム変更ってことにまでなったんだと思う」

と、もしもネットがなければここまで早急に問題が大きくならなかったのでは、という意見があった。また、

「エンブレム自体のことはともかく今のネット社会での執拗な叩き晒しのエスカレート具合はちょっと酷すぎるなあとは思う」
「今回の五輪エンブレム騒動は、現在のネット社会が『私刑』を発動させる装置として機能することを証明した。マスコミや国の機関による欺瞞は通用しなくなる。これで『不都合な真実』が次々あかされるのであれば、それは歓迎すべきだろう」

など、ネットにおける佐野氏に対するバッシングが行き過ぎだという声や、ネットでの検証が不正を暴く機能を果たしたとの声もある。その一方で、

「運営に携わってるお偉い方々が『ネット時代』というモノを正しく認識できていないことが問題の根幹な気がする。
有名になればありとあらゆる事が全世界の物好きによって隅から隅まで調べあげられる時代」
「佐野の東京五輪エンブレム使用中止か。遅いよ。もう採用されてるし大丈夫やろと高を括っていたものの、ネットでどんどんパクリ例が発掘されて焦ったのかな」

といったように、佐野氏への評価は別として、組織委員会や選考にかかわる人がネット時代においてはあらゆる過去が調べられることを甘くみていたという声も。さらに今後、再選考されるエンブレムについても、佐野氏と同様に検証されるはずだとの予測もあり、

「エンブレムの公募、応募する側のハードルは相当高くなったと思う。 ネットで過去作品を洗いざらい調べられて検証サイトが立ったりするんだよ。
ツイッタでアイコンも投稿画像も『拾った画像』が無い人とかそうそう居ないように 過去においても真っ白な人間なんてなかなか居ないでしょ」

と、この一件でハードルが必要以上に上がってしまっているとの見方も強い。

いずれにしろ、今後どんなエンブレムが採用されるのか、注目が集まることは間違いない。佐野氏と同じく、無数のネットユーザーから厳しいチェックの目が向けられることとなりそうだ。
(小浦大生)

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