女性は現実的で、アニメの監督制作に向かない?

元ジブリプロデューサーの「性差別批判?」に世界で賛否

2016.06.13 MON

噂のネット事件簿


西村氏は現在、アニメ制作会社「スタジオポノック」の代表取締役を務める ※この画像はサイトのスクリーンショットです
英国紙『ガーディアン』が6月6日(英国現地時間)にウェブサイトで公開したインタビュー記事の中で、スタジオジブリの『かぐや姫』や『思い出のマーニー』などのプロデュースを手掛けた西村義明氏が語った内容が「性差別的」だと波紋を呼び、各紙で批判される事態に発展。ネットでは、独自の解釈を交えながら賛否両論の嵐が吹き荒れた。しかし、6月13日15時(日本時間)になり西村氏が所属するSTUDIO PONICのTwitterアカウントで、この件について弁解。2014年末にジブリを退社していることと、ジブリを代表した意見であると誤解させたことを謝罪している。

発端となったのは、「Women are realistic, men idealistic': Studio Ghibli on why a director's gender matters(女性は現実主義的、男性は理想主義的、スタジオジブリでは、なぜ監督の性別が重要なのか)」と題した記事。記事のなかで西村氏が現在スタジオジブリに所属しているかどうかは明言されておらず、アニメの制作過程などがメイントピックだが、そのインタビューの一部が議論の的となった。

『ガーディアン』によれば、記者が「ジブリは今後、女性監督を起用する予定はありますか?」と質問。西村氏は、

「映画の種類によります。実写とは異なりアニメでは、実世界を簡略化しなければなりません。女性は、より現実主義的な傾向があり、毎日の実生活をとてもうまく管理できます。一方で、男性はより理想主義的な傾向があり、ファンタジー映画には、そうした理想主義的なアプローチが必要とされるのです。男性が監督に選ばれてきたのは、偶然ではないようにと思います」

と答えている。この発言にTwitterでは、

「『ジブリの作るようなファンタジーだと男性特有の理想主義がより適している』であって、女性監督ではアニメが作れないとか向かないって話ではない」
「『女性は細かい作業が得意で小さな大事な作業には適していて男性は力があるから力仕事に適している」という例と同じ』」

と西村氏の発言は差別的発言ではなく、そもそもそうした意図はないと擁護する声も多数あがった。一方で、

「性別で区切る行為は、性差別だとは思う…。ハリーポッターもファンタジーだし」
「女性にはファンタジー的な想像力&創造力がないと言っているに等しい。ハリポタの作者なんかが知ったら大激怒やで」

と、アニメの監督ではないが、映画化もされ英国を代表するファンタジー作品である『ハリーポッター』シリーズの原作者・J.Kローリングを引き合いに出して西村氏の意見に反対する声もあった。

この問題は英国にとどまらず取り上げられている。例えば、米国メディア『フュージョン』は10日、「スタジオジブリは、女性がアニメを作れないと考えている。6人のイケてる女性監督で反論させてもらう」という見出しで掲載。「女性にとって非常に不条理で性差別的である」と批判し、日本の女性アニメ監督を例に挙げて反論している。

なお、13日に投稿したTwitterでも西村氏は「映画を作るのに性別は関係ありません。深くお詫びいたします」と謝罪している。

(山中一生)

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