丸の内から霞が関、銀座まで

2階建てオープンバスで皇居周辺を東京観光

2004.10.14 THU

古典落語の名作「黄金餅」に、江戸の町名を早口で言い抜けるくだりがある。「新石町から鍛冶町、今川橋を渡って本銀町、石町から本町、室町を抜けまして…」。

時は変わって04年9月。日本初の2階建てオープンバス、「スカイバス東京」が運行を開始した。こちらは東京駅近くの丸ビル隣を起点に、竹橋~半蔵門~霞が関~銀座と皇居周辺を一周する。1時間ごとの運行で所要時間は約45分。窓越しに開ける360度の眺望が売りだ。秋晴れの午後にさっそく試乗してみた。

平日午後にもかかわらず満席で、同乗するアテンダントの女性が日差し除けの帽子を配ってくれる。いざ走り出すと、開放感もさることながら、その視界の高さに驚いた。また、オフィス街のビジネスマンから制服姿の女子高生まで、珍しさのせいか笑いながら手を振ってくれる人も多い。

コースのポイントごとに解説が付くのだが、なかには「江戸時代、五街道のうち甲州街道だけは日本橋でなく半蔵門が起点。これは有事の際、将軍が甲府に避難するために整備された街道だったため」、「エルメスのビル(銀座)屋上には、もともと馬具屋だった同社のシンボルである白馬と騎士の像がある」などの面白いトリビアも。川崎から来たという50代の夫婦は言う。「車や徒歩ではわからない発見が。銀座界隈は昔からよく知っているので、当時の風景と比較しながら楽しめました」。

運営する日の丸自動車興業にも話を聞いた。「時期ごとの波が激しい団体向けの観光バス以外にも、何か新しい企画をというのがきっかけ。お客様は首都圏近郊に住む5、60代のグループや家族連れが多いですね。冬期の運行やコースの増設、予約システムの見直しなど、検討課題もたくさんあります」(同社事業開発部・近藤氏)。

季節や時間帯によっても趣が異なる、このユニークな都心観光バス。これまで見過ごしていた、新しい東京の顔が発見できるかもしれない。

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