南国の楽園・ナウルのビックリ国家政策

天からの落としモノで潤っていた国の行く末

2004.10.29 FRI

太平洋のほぼ真ん中に位置する南国の楽園、ナウル共和国。直径3km弱の小さな島で、バチカン、モナコに続いて世界3番目に小さい国である。約100年前から、アホウドリの糞からできる高品質な燐鉱石の採掘でとても潤った。納税の義務がない、と聞けばどのくらい裕福か想像できるだろう。だがアホウドリの糞も100年掘り続ければ、枯渇する。燐鉱石の採掘はナウル共和国唯一の産業であり、国家存亡の危機が来ることは30年前から問題視されていた。

もちろん、ナウル共和国としても対策を施さなかったワケではない。オーストラリア・メルボルンの中心部に52階建ての高層ビルを建設し、テナント収入で国家財政の一部を賄おうと考えたのだ。しかし、高層ビル建設にはもうひとつの狙いがあった。

ナウル共和国の燐鉱石が掘り尽された場合(住めないほど掘られた場合)、国民全員をこのビルに移住させようという壮絶な計画があったのだ! 国民1万人総ワーキングホリデー、とでも考えたのだろうか?いつ追い出されるか分からないとなれば当然テナントは入らず、高層ビルは不良債権化。テナントがダメならと、ナウル共和国はグアムでホテル経営に乗り出した。とはいうものの自分たちが働くのは嫌らしく、運営は全日空ホテルに任せていたという。現在、アメリカに借金のカタとして取られている。ここ数年はマネーロンダリングの片棒を担ぎ、国籍売買にまでビジネスの幅を広げる始末。そうこうしているうちに燐鉱石は枯渇し、財政はあえなく破綻した。

在フィージー日本大使館員によれば、公務員の給与は8カ月以上未払いで国は完全に破綻しているという。「暴動が起こらないのが不思議なくらいです」とまで語った。国民に勤労意欲はなく国の財政が破綻してから、食べるものがなくなると漁に出かけ、日々のんびり過ごしているのが現状だという。現在、“鎖国”状態で外国人の入国ビザの発給を停止。今後、太平洋の真ん中でひっそり生活していくようだ。

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