はるばる4500kmをどんぶらこ

ナニが辿り着くかわからない漂着物の魅力とは?

2004.11.05 FRI

ビーチコーミングという言葉を聞いたことがあるだろうか。英語で書くと、「Beachcombing」。Beachは海岸、combは櫛だが「くまなく探す」という意味もある。つまりビーチコーミングとは「海岸をくまなく探す」という趣味のこと。

そんなビーチコーミング界を揺るがす発見が秋の初めにあった。愛媛県津島町沖で海上保安部が波間に漂うブイを発見! しかも直径が2.4m、高さは7.9mもある巨大なモノ。ラベルを見るとハワイ州ジョンストン島から流れてきたものと確認されて関係者は色めきたった。だって、これまでハワイからの漂着物が日本に流れ着いた記録は一度もないのだから。その距離約4500km!

ビーチコーミング歴30年の漂着物学会会長・石井忠さんによると「ハワイ北東の赤道海流に乗りフィリピン沖で方向を変え、豊後水道から四国沖まで流れ着く可能性は、潮流に大きな変化がなければ考えられない」のだそう。まさに自然の驚異だ。

昭和のはじめの国民的愛唱歌「椰子の実」にこんなフレーズがある。♪名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ。作詞の島崎藤村にヒントを与えたのは、民俗学の巨人・柳田国男だった。打ち寄せられた椰子の実を手に柳田は遠くの島を夢想した。ビーチコーミングの醍醐味は「夢想力」。どこから流れてきたのか、何年かかって流れ着いたのか、ひとつの漂着物からいろんな夢が想像できる。石井さんにお宝漂着物を訊いてみると、すかさず答えが返ってきた。「フィリピンに棲息する生きてる化石オウム貝」。ビギナーにオススメのスポットは神奈川県の藤沢・片瀬海岸、葉山・一色海岸。それぞれ近くにある「江ノ島水族館」と「しおさい博物館」には、漂着物の展示もあるから、海岸へ行く前に見学すればさらに夢がふくらむ。秋の海、ひねもすのたりとビーチコーミング。25歳で粋人を目指すなら悪くない趣味じゃない?

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