スポンジ状の画期的な医療材料

「はさみでも切れる」人工骨が体内で自分の骨に置き換わる!?

2005.01.20 THU

スポンジは軟らかく、骨は硬い――これ、小学生でも知ってる常識。でも次世代の医療では、スポンジのように弾力性のある「軟らかい骨」が大活躍しそうなのだ。

正式名称は「生体置換型有機無機複合人工骨」。ペンタックスと物質・材料研究機構の田中順三生体材料研究センター長、東京医科歯科大学の四宮謙一教授らの研究グループが開発した。ヒトの歯や骨の成分でもある「ハイドロキシアパタイト」とコラーゲン繊維などからできた素材だ。はさみなどで自在に加工でき、ひび割れた骨のすき間や、腫瘍で切除した部分を埋めるのに便利! 骨の新陳代謝の働きで次第に自分の骨と馴染んでいき、最終的には人工骨が新たに形成された骨(それもちゃんと硬い骨)と置き換わってしまうというからすごい。

「金属やセラミックスでつくられた従来の人工骨は、自分の骨と置き換わることなく体内にそのまま残るから、使える部位が限られます。そのうえ、硬く衝撃に弱いため、本当の骨との境目で折れてしまう心配がありました。その弱点をカバーしたのが今回の人工骨の画期的なところです」(ペンタックス・ニューセラミックス事業部)

これまで、けがや病気で骨が欠損した場合、患者自身の骨を別の場所から切り取って用いる「自家骨移植」が一般的な治療法だった。もちろん、自分の骨だから馴染みやすいが、痛い手術を2カ所以上も味わうのはつらいし、使える骨の量も限られてしまう。また、他人から提供された骨を移植するケースもあるが、感染リスクやドナー不足などの問題が残っている。

動物実験で効果が確認された段階だが、06年の実用化を目指している。カメラで有名なペンタックスだが、内視鏡や医療材料などの分野も強い。新しい人工骨の発売5年後には20億円の売り上げを目指しているという。ついでに「顔がキレイになる人工皮膚」なんかも開発してくれないかな~。

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