80年で12分、時間が短縮

速くなった山手線1周60分の壁をついに破る!?

2005.02.24 THU

ラッシュ時には約2分30秒に1本の間隔で走り、1日で約355万人の乗客を運ぶ。そんな東京の大動脈というべき山手線が、秘かにスピードアップしていたというお話。

山手線は、1925年に現在のような環状運転を開始し、今年でちょうど80年になる。当初は、1周するのに約72分かかっていたが、車両の改良などにより、年々スピードアップ。来年度中には、ついに1周60分の壁を破るというのだ。「80年でたった12分?」なんて思うなかれ。そこには、利用者の利便性、快適性の向上に命をかける男たちのドラマがあったのだ。

鉄道の場合、IT業界などとは異なり、突然大きな技術革新が起きることはない。毎日の運行もあり、線路や車両など、いまある設備を改良しながら、徐々に性能をアップさせていくしかないのだ。そんな制限のなかで今回、時間短縮に貢献したのが、ATC(自動列車制御装置)のデジタル化だ。衝突事故防止のため、電車というのは前の電車に近づきすぎると、自動的にブレーキがかかる仕組みになっている。

「従来のATCでは、減速時に段階的にブレーキをかけている。しかし、デジタル化によってよりスムーズな減速が可能になり、電車と電車の間隔を詰めることができるようになったんです。そして、時間短縮のもうひとつの要因は、加速度に優れた新型車両『E231系』の導入です」(JR東日本広報部)

とはいえ、E231系とATCのデジタル化で短縮できるのは、区間あたりせいぜい数秒。しかし、その数秒も山手線1周で考えれば、数分の短縮になるのだという。

「数分短縮できれば、1時間にもう一本電車を走らせることも可能です。一本電車が増えれば、約二千人の人を運べます。つまりそれだけ混雑の緩和につながるんです」

1周を何分以内で走る。JR東日本では、そんな目標は特に立てていないという。あくまでそれは、混雑緩和というサービスの結果でしかないのだから。

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