種まき、田植え、収穫…も楽々

「ロボ・ファーム」実現は後継者不足の農業を救うか

2005.07.28 THU

人が乗っていないのに、田植え機がチャッチャカ苗を植えていく。まっすぐ走り、田んぼの端まで着たら華麗にUターン。これは中央農業総合研究センターが開発した「無人田植えロボ」。7月初めに埼玉県で試作機の実演を行ったところ、植え付けるラインの誤差もほとんどなく成功した。

鍵を握っているのが、高精度のGPS(衛星利用測位システム)。あらかじめ記憶された田んぼの形をもとに経路を設定し、GPSで位置データを計測しまっすぐ苗を植えていく。1人で数台を管理でき、時間や手間が省ける。実用化へ向けては、現行の田植え機約3台分はするという価格をいかに下げていくかが課題だという。

IT(情報技術)とRT(ロボット技術)を駆使してあらゆる農作業を無人化する「ロボ・ファーム」実現に向けて、農林水産省系の研究所を中心に研究が着々と進んでいる。種まき、田植え、草取り、収穫など、かなりの農作業がロボットでカバーできるようになる見込みだ。

一方、野菜や果物の栽培では、イチゴなどの果実を収穫するロボットもある。ハウスの中を走りまわって、果実の有無を探すところから始まる。好き勝手な方を向いて大きさもバラバラの果実だが、熟れ具合をカメラや視覚センサーで識別、収穫期と判定された果実を空気で吸引し、軸にハサミを伸ばして切り落とす。葉の裏に隠れたものは検知できないため、収穫成功率は7割くらいだが、長時間にわたり腰を曲げて行う労働が軽減できる。

「日本の農業従事者の平均年齢は65歳以上。高齢化が進んでいるうえ、後継者不足も深刻です。ロボット化で大規模な農家や高齢労働者の手助けをすると同時に、若い人を呼び込む原動力にもなればというのが私たちの願いです」(長崎裕司・農林水産技術会議事務局研究調査官)

よく「ネコの手も借りたい」なんていうほど忙しい農作業。将来はネコの手要らずになりそうだ。

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