100年分のクリーンエネルギー

日本近海に眠る“夢の資源”「メタンハイドレート」とは?

2005.07.28 THU

石油は枯渇まであと40年、天然ガスは残り60年と言われている。石油と天然ガスの99%を海外から輸入している日本にとって、将来、地球のエネルギー問題は国の死活問題としても立ちはだかる。が、そんな懸念を一掃する可能性を秘めた“夢の資源”が、日本近海に大量に眠っているのである。

その夢の資源とは「メタンハイドレート」。水分子の結晶構造がメタンガスを閉じ込めたもので、見た目も手触りも氷と同じ。ただし火を近づけると燃える氷である。

液体にするためにマイナス162度に冷やさないといけない液化天然ガスに比べ、メタンハイドレートはマイナス30度前後で固体となるから、輸送・貯蔵コストを引き下げられるというメリットがある。また、燃焼したときの二酸化炭素の排出量が石油に比べて少なく、硫黄酸化物、窒素酸化物も出ないため、地球温暖化や大気汚染を防ぐクリーンなエネルギーとしても期待されている。

メタンハイドレートは、水深500m以深の海底の地下に氷状の層になって眠っている。日本近海には太平洋側を中心に、天然ガスに換算して学者の推定によると約100年分が埋まっていると見込まれている。日本と中国が沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域の領有権を争う理由のひとつも、メタンハイドレートが埋まっていることにある。中国とベトナムが領有権を争っている南シナ海にも埋蔵が確認されている。

日本は2016年をメドに商業的産出のための技術整備を進めているが、課題も多い。石油や天然ガスは穴を掘れば噴き出すが、メタンハイドレートは固形だから、掘削してから分解してメタンガスを取り出す高度な技術が必要だ。また、メタン自体には二酸化炭素の20倍以上という強い地球温暖化効果があり、海中や大気中に漏れた時の影響が懸念される。

だが、100年分のクリーンエネルギーである。日本としては何としても実用化にこぎつけたいものである。

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