新しい妖怪ではありません

正面から見ると人の顔“人面バイク”で事故が防げる?

2005.10.06 THU

激しくにらむ二灯の目に、ガブリと開いた大きな口。黄色いボディ色とも相まって、まるでモビルアーマー・ザクレロの凶相を思わせる、その名も人呼んで「人面バイク」(『読売新聞』9月2日)。新たな都市伝説かと思いきや、実は本田技研工業のもつ安全技術の粋を集めたコンセプトマシンなのだ。

「従来から『2輪車はどうも発見しづらい』という問題が指摘されていました。しかし『なぜそうなるのか』、さらに『どう対応すればいいのか』までは、今まで手がつけられていなかったんです」(ホンダ・安全研究担当の堤陽次郎さん)

そこで出たのが、バイクに顔をつけてしまおう、というアイデア。

「人は脳の右側頭葉にある『顔細胞』で、他人の顔を高速で探索し、その表情を読み取っています。顔細胞が反応するパターンは極端な話『 』でもいいんですよ。その結果どんなことが起こるかというと、例えば心霊写真を発見したりする」

他にも「自然界では瞳の柄が目立つ」、「水平線が多いなかでの、斜めのラインは浮き上がって見える」といった古くからの認証心理学の知見を応用し、従来の2輪車よりも発見率が43%もアップした、この『FACEデザイン』が生まれたという。

「顔と聞いて最初は『猫バス』とか『きかんしゃトーマス』くらいのを作りたかったんですが(笑)、量産につながるようにデザインしたのが、今の怒ったマスクです。実は無表情よりも、怒りの表情のほうが探索スピードが上がるという知見もあるんです」(デザイン担当の村田 裕さん)

特にヘッドライトは、瞳に、白目やアイシャドーを思わせる部分もあって、本当に人間の目みたいで恐ろしいですよ。

「怖い顔ばかり増えても路上が殺伐とするので、今後は笑顔ややさしい顔で和んだ雰囲気も生み出せるのではと考えています」

しかしこの強面バイクを真っ先に欲しがるのは集団で危険な走りをするみなさん? むしろ安全だったりして…

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