赤十字に3番目のマークが誕生

え!? そもそも赤十字にはマークが2種類あったの?

2006.01.19 THU

病院などで見かける「赤十字」。昨年12月、その赤十字の新しいシンボルマークが発表されました。といっても、あの「赤い十字(Red Cross)」がなくなるワケではありません。追加されたんですね。新たに3つ目の赤十字マークに決まったのは「赤い水晶(Red Crystal)」。あのマーク、正式には「保護標章」といって、紛争時において、医療施設や衛生部隊、赤十字スタッフなどを識別し保護するためのもの。これからは赤い十字でも水晶でも、同じ意味となります。さて。ここまで丁寧に読んでくださった方はお気づきの通り、「赤い水晶」は、赤十字にとって3つ目の標章なんです。ということはすでに、十字以外の標章がもうひとつ存在していたんですね。

それは「赤い新月(Red Crescent)」。その証拠に、昨年の愛知万博で赤十字は「国際赤十字・赤新月館」としてパビリオンを出していました。では、なぜ赤十字の標章が「赤い十字」だけでは足りないのか?

答えは宗教的な理由。最初に十字が標章となったのは、赤十字の創始者アンリー・デュナンにちなみ、彼の母国・スイスの国旗の配色パターン(赤地に白十字)を反転させたから。そこに十字が持つ宗教性は何もなかったのですが、引っかかったのはイスラム教圏の皆さん。赤十字活動には賛成だけど、さすがに「十字」には抵抗があったので、100年以上前にイスラムの象徴でもある「赤い新月」が、2つ目の標章として公認されました。ところが、それでもまだモヤモヤしていたのがイスラエルの皆さん。赤十字的な活動はしたいけれど、十字も新月も使いにくい。そこで今回提案され認められたのが、宗教的に中立な「赤い水晶」だったワケです。

今後、各国は3つのシンボルから選べるようになりました。赤い十字でも新月でも水晶でも意味は同じ。これだけ世界の歯車が狂っていても、ボクらがギリギリ守っている約束のひとつです。頑張ろう、人類。

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