国内で年間55万1155トン!

牛糞からガソリンやバニラができるって本当ですか?

2006.04.06 THU

本当です」とお答えいただいたのは、東京農工大学の澁澤栄教授。このたび、教授の研究室に所属している院生の河合秀樹さんが、牛のうんちから液体燃料を抽出することに成功。

100gの牛糞に、1gの炭酸ナトリウムを触媒として添加し、30気圧の圧力をかけて300度で30分加熱したところ、1.1mlのガソリンと1.02mlの灯油、0.56mlの軽油が、それぞれ取り出せた。理屈はよくわかんないけど、とにかくすげえ。

「もともと牛糞のような有機性廃棄物からは、いろんな化学エネルギーが取り出せることはわかっていたので、別に珍しいことではないんです。地中深く穴を掘れば、いつか温泉が出るのと一緒で」(同教授)

 あれれ、ならばどうして?

「国内で440万頭も飼育されている牛の排泄物処理が、大きな問題になっているからですね。肥料として使用するには、あまりに多すぎますし、牛糞には、他の植物の種が混ざっていたりして田畑を壊しかねないので、農家は嫌がるんです」

従来から存在するメタン発酵等によるガス利用では、使いみちが限られる。そこで用途がより多岐にわたるガソリン類の抽出に挑んだのだという。

「手間暇かけて燃料を取り出すわけですから、ビジネスとしては成立しないでしょう。しかし、牛糞の処理に困っている酪農家と、圧力や熱エネルギーを持て余している発電所とか工場が協力すれば、トラクターの燃料くらいにはなるかもしれない」(同)

つまりこの研究は、農家が抱える問題を解決するばかりでなく、より環境負荷が小さい農業への糸口探しだったというわけ。

ちなみに牛糞からバニラの香り成分「バニリン」を抽出したのは、積水化学工業と国立国際医療センター研究所。ただし、報道内容について「発表した事実はないんですよ」(積水化学工業広報部)と困惑気味。

いずれにせよ人間が、肉や乳を利用するがゆえに続々発生する牛の問題。シモの面倒をみるのも当然の責任かもね。

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