嘔吐から黒板の「キーッ」まで…

耳をふさぎたくなってしまう不快な音の正体は?

2007.03.01 THU



イラスト:マツモトカズトク
皆さんの、嫌いな音って何でしょう? じつは最近、英国ソルフォード大学音響研究センターの研究チームが、録音された34種類の音をオンラインで公開し、投票によってもっとも不快に感じる音を決めるという「不快音のワーストランキング」を発表した。被験者総数は全世界で110万人。結果、見事ワーストワンに輝いたのは“嘔吐の音”。うーん、確かに。では、音の快・不快の仕組みとは? 音の研究をする鳥取大学工学部の西村正治教授に聞いてみた。

「嘔吐の音がワーストワンになったのは、音そのものだけでなく、嘔吐中に起こっているイメージから、臭いなどの不快要因も付随した可能性もありますね。ちなみに、私が個人的に、不快に感じる音の筆頭は、スティックスリップ音です」

スティックスリップ音とは、物体同士の摩擦により出る音のこと。代表格は、黒板を引っかく音や発泡スチロールが擦れる音だ。そもそも音は「音色」「音の高さ」「音の大きさ」の3要素から構成される。不快に感じる音といえば「キ~」といった“高い音”というイメージがあるけど…。

「人間の耳がもっとも感知しやすい周波数は1~4kHzの比較的高い音域。しかしその音域がすべて不快というわけではなく、なかでも波形に規則性が見られず、複雑に変化するものに人間は不快を感じる傾向があるようです」(同氏)

音の快・不快は、音そのものの性質を決める“波形”にあるようだ。ちなみに黒板の引っかき音は、サルが仲間に危険を知らせる叫び声の声紋と類似しているらしい。命にかかわる重要な情報を知らせるために、聞こえやすく、不快な音が生じていると考えれば、なるほど納得がいく。

一方、心地よい音の代表は“残響(エコー)”とのこと。規則的に音が響くので、安心感があり、心も自然と和むのだとか。なるほど。これから女子を口説くときは、ビブラートボイスを心がけます…。


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