春だから…ちょっと真面目に考えてみた

なぜヒトは発情期を失ったのか?

2007.03.08 THU



写真提供/AFLO
盛りのついたメス猫などを見かけると、時々、うらやましく思ったりする。もし仮に、ヒトに発情期があったならば話は早い。

「おや、発情期のようですね。よろしければ、ご一緒にいかがですか」

「え~、確かにそうだけど…ちょっとタイプじゃないから、遠慮しとく」

「それは失礼。次をあたってみます」

じつに単純明快。女ゴコロの複雑な建て前と本音を読んだり、時間と労力をムダに使わずにすむ。実際、ヒト以外のほとんどの動物は、本能に沿った発情期があり、「生殖」という意味では、非常に能率的な行動様式を持っている。ところが人間は、その気になればいつでもスタンバイOK。しかも「生殖」目的ではない行為がメイン。生物として、ちょっとどうかしている。

では、なぜヒトは発情期を失ったのか。ヒトやサルの性についての著書を多数持つ京都大学名誉教授・大島 清氏によれば、その理由はこうだ。

「ヒトの脳の前頭葉が異常に発達したからでしょう。前頭葉はヒトの精神活動をつかさどっていますが、それが肥大し、本能にも影響するようになった。それに、普通の動物であれば、のべつまくなし交尾可能なら、排卵期に交尾したくなくなる可能性が高まって生殖効率が下がる。ところが、ヒトは妊娠期間が長く、一度にそれほど多くの子は産めないし、脳が大きいと胎内発育に時間がかかるため、危険も大きい。子育ても非常に長く大変で、もし育児途中で命を失わせでもしたら、子が欲しくとも次の発情期まで待たねばならない。いっそ発情期をなくして、交尾・妊娠する可能性を増やそうという選択をヒトという種はとったのかもしれません」

つまり、知性の発達とともにヒトはいつでも発情できる動物になったというわけだ。発情期だからと単純に交尾していては、人類の股間、もとい沽券に関わる。ともあれ、こうしてヒトは発情期を失ったという説が有力のようである。


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