じつは燃料の大量消費?

100%再生紙やゴミ分別の常識は、エコじゃなかったの?

2007.06.07 THU



イラスト:藤田俊男
「環境のことを考えて、100%再生紙を使っている」というと、エコだなぁと思う人も多いだろうが、一概にそうはいえないかもしれない。日本製紙が環境負荷を抑えるために100%再生紙製品を廃止することを決めたのだ。これは、いったいどういうこと?

「紙の製造過程では、紙をすいたり乾燥させたりする際などにエネルギーが必要です。木材から紙を作る場合、木材パルプ製造時にできる“黒液”を燃やすことで、そのエネルギーを得られます。木材は成長時にニ酸化炭素(CO2)を吸収しますから、黒液を燃やしたときに排出されるCO2も自然な状態に戻るだけです。ところが再生紙は、エネルギーを化石燃料に頼らなければならない。化石燃料由来のCO2排出量は、古紙100%の再生紙の方が多くなってしまうんです」(日本製紙広報・針谷さん)

また、ごみの分別に関しても考え直す必要があるかもしれない。東京23区では08年度から廃プラスチックも可燃ごみとして収集・処理される。ずっと、不燃ごみだったプラスチックを急に燃やして大丈夫なの?

「ペットボトルなどはリサイクルしますし、すべての廃プラスチックを焼却するわけではありません。焼却炉の性能も分別収集が始まった74年ごろに比べて飛躍的に向上し、国のダイオキシン特措法に基づく対策もすべての清掃工場で完了しています」(東京二十三区清掃一部事務組合・池田係長)

廃プラスチックを焼却処理すれば、限りある埋め立て地の延命にもなり、焼却時の熱エネルギーは発電にも利用される。だが、この計画に対しては「廃プラを投入すると、焼却炉が高温処理になり、発ガン性ではダイオキシンを上回る化学物質が発生する可能性も指摘されています。23区では100人近い区議が反対しており、進め方が早急すぎると思います」(日本環境ジャーナリストの会会長・芦崎治氏)との意見もある。

環境対策に簡単な答えはない。時代や状況に合わせて、柔軟な思考を持つことが大切なのだ。


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