世界中で争奪戦がはじまっている!?

バイオ燃料だけじゃない!CO2対策で“ウラン”が注目

2007.06.28 THU



写真提供/時事通信
先日のサミットでは、地球温暖化とその原因とされるCO2(二酸化炭素)など温室効果ガスが議題となった。身近なところでも、ガソリンに代わる燃料としてバイオエタノールの需要が増し、その影響でマヨネーズが値上げされたというニュースは記憶に新しい。そして来年からは、いよいよ京都議定書が定めた温室効果ガス削減期間に入る。

そこで“ウラン”が注目されている。ウランは原子力発電の燃料となる鉱物だ。火力発電も原子力発電も燃料をつかって水を沸騰させ、蒸気でタービンを回して発電する点では同じだが、石油・石炭・ガスは燃やすとCO2が出る。一方で、ウランを核分裂させて熱を起こす原子力発電は「発電の過程でCO2が出ない」とされる。この特性から日本、アメリカ、イギリスをはじめ先進各国で原子力発電の見直しが進み、こうした動きを受けたウランの国際取引価格は7年前と比べて十数倍にも高騰。いまウラン争奪戦がはじまっているのだ。

東アジアでもウランをめぐる動きは活発だ。中国は原子力発電所を新・増設する方針を示していて、昨年にはウラン世界埋蔵量1位のオーストラリアが中国へのウラン輸出を解禁した。かたや日本も、昨年8月に退陣間近の小泉さんが同2位のカザフスタンと同10位のウズベキスタンを訪問してウラン鉱山開発などでの協力関係を整えた。さらに今年4月末には甘利経済産業相と東京電力・伊藤忠など民間企業団がカザフスタンを訪問、日本のウラン年間輸入量の半分相当を確保する合意を結んでいる。

CO2という面ではクリーンかもしれないが、原子力発電は発電後に放射性廃棄物が残る。とくに有害な高レベル放射性廃棄物は数千年、数万年にもわたって放射線を出すため、「人間による恒久的な管理は困難」(資源エネルギー庁「放射性廃棄物のホームページ」)と国も認めているほど。CO2削減は重要だが、原子力発電にはそれだけで是非を判断できない側面があることも忘れてはいけない。


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